銀投資家であれば、ご存知かもしれませんが、銀価格が遂に重要な抵抗線である32.5ドルを突破しました。
先物価格だと約34ドルです。この一週間で7%以上の上昇率。
私もリアルタイムで注視してましたが、32.5ドルをいったりきたりで、今回も難しいか?と思いきや一気に抜けましたね。
まさに↓の画像を20回くらい繰り返して、やっと超えた感じです。
32.5ドルを一瞬超えただけではあまり意味がなく、32.5ドルを超えたまま終値がつくかどうか?が重要でした。
そして、今回一瞬32.5ドルタッチしただけでなく、終値で32.5ドルを超えているので、本物の上昇の可能性が高いということです。
1,なぜ32.5ドルが重要なのか?
リーマンショックを予測したジェシー・コロンボ氏@TheBubbleBubbleの予測によると
銀の価格が今後上昇する1つの要因としては、銀のスポット価格が32.5ドルの抵抗線を超える必要があるとしていました。
引用:https://thebubblebubble.substack.com/p/silver-is-starting-to-break-out-heres
抵抗線とは過去に価格が何度も上昇を抑えられ、投資家が「ここが高値だ」と認識する価格帯です。
その価格付近になると多くの投資家が利益確定の売りを出したり、新規に売りポジションを持ったりするため、価格がそれ以上に上昇しにくい状況が発生しやすいです。
例えば今回の銀の場合だと、5月に32.5ドルを2回タッチしたのですが、いずれもそこから価格が上昇せず下落。
そこから夏の間は銀は下落、平坦な価格基準でした。
つまり、投資家からすると「32.5ドルが銀の高値だな」と認識されるので、ここで売りに転じるのが多くなるということです。
逆に抵抗レベルを強い取引量を伴って突破する(=ブレイクアウト)と、投資家らは「32.5ドルが高値ではない」と認識し、新たな上昇トレンドが始まる可能性が高いということです。
最近では、9月26日と10月4日にこのレベルを突破しようとしましたが、いずれも失敗し、その後の取引で再び価格が下落しています。
そして、今回この32.5ドルを突破し終値をつけたので、投資家らは次の抵抗線まで価格が上昇すると考えるようになるということです。
実際、32.5ドルを超えはじめたタイミングで、投資家らは大量に買いに走っているのが確認できます。
https://x.com/TheBubbleBubble/status/1847324710700257668
そして、32.5ドルでウロウロ価格が推移していたのが、この価格を超えた途端に急激に34ドル付近まで上昇してます。
それでは、この数値を突破した後次はどこが抵抗線になるのか?
投資家らによって多少予測は変わりますが、40~50ドルまでは急速に上昇するのではないか?とする方が多いです。
リーマンショックを予測した、テクニカル分析貴金属アナリストジェシー・コロンボ氏@TheBubbleBubbleはこのように語ってます。
次のブルマーケット(強気市場)の局面が始まるには、銀が$32.50の抵抗線を強い出来高で突破する必要があります。
もしこのレベルを超えた場合、銀は急速に$50に向かう可能性が高いです。$50は心理的に重要なレベルであり、1980年と2011年のラリーのピークと一致しています。
なぜ50ドルが次の抵抗線なのかというと、銀の最高値はリーマンショック後につけた50ドルだからです。
正確に言えば34ドル、40ドル辺りで抵抗線があり、ここで一旦停滞するだろうとする投資家らも多いです。
https://x.com/hajiyev_rashad/status/1847541420850139308
このあたりは銀投資家の間でも、様々な意見があります。
ただ、10年以上ぶりの最高値を付けた点、世界的な利下げトレンドの中、インフレ懸念が終わっていないなど、急速に銀価格が上昇する準備は整っていると予想する方が多いですね。
2,44年間にも及ぶ超巨大な”カップウィズハンドル”を形成する意味とは?
1つの強気相場の要因のとして、1980年から44年で”カップウィズハンドル”が形成されている点です。
カップ・ウィズ・ハンドルは強気のパターンを示す王道的なテクニカルチャートの形成です。
このパターンは、価格が大きく上昇トレンドに向かう準備が整っている可能性を示唆してるとされてます。
カップとハンドル(持ち手)に似ていることから、カップウィズハンドルと呼ばれます。
ハンドル部分がカップの付け根を再度タッチすると、更に急激に価格が上昇するとされてます。(今回の場合以前の高値である50ドル)
https://x.com/TheBubbleBubble/status/1839758747046162669
ちなみに銀の価格上昇に注目され目立ちませんが、ゴールドに関してもカップウィズハンドルを形成しています。
ゴールドは残されていた最後の抵抗線を突破しました。この抵抗線は、今まで対数チャート上でしか生き残っていませんでした。
これで、上にはもう何も残っていません。
カップの形成がついにトリガーされ、今度は銀も追随し、カップを$50で閉じるでしょう。これらの動きは非常に速く進む可能性があります。
なぜなら、これらの形成がトリガーされるまで、45年間も成熟してきたからです。
3,今後銀価格はどうなる?私がウォッチしている貴金属投資家らの予想
私がいつも参考にさせて頂いている貴金属投資家の方の予想です。
今回銀が32.5ドルを超えてから予想したわけではなく、いずれも今回の上昇以前から予想しています。
Ericさんの予測。香港の実業家の方です。
今後12ヶ月の金、銀価格予測 左の矢印が現在地です
1) 2024年8月初旬に円キャリートレードの巻き戻しが発生(既に完了)。
2) 2024年9月にFRBが利下げを行い、ゴールドとシルバーは比較的狭い価格帯の中で安定して動く。
3) 2024年10月、ゴールドとシルバーの米ドル価格が急騰する。
4) 2024年11月、米国大統領選挙の時期にゴールドとシルバーが一時的にピーク価格に達する。ゴールドは2,800ドルから3,000ドルのレンジで修正され、シルバーは40ドルから45ドルのレンジで修正される。
5) 2025年1月、ゴールドとシルバーは強気トレンドを続ける。
6) 2025年第4四半期頃、FRBが利下げサイクルの終了を示唆し始める。インフレ圧力の高まりによって、ゴールドは約3,700ドル、シルバーは約80ドルでピークに達する。グローバルな米ドル流動性が反転して縮小し、ゴールド、シルバー、そして米国株式が急落する(バースト)。
これらの予測は、金融システム内でまだ明らかになっていない何らかの問題やリスクによる「予期せぬ出来事」が起こらないことを前提の話です。
続いてはデビッドハンター氏の予測。2022年辺り(もっと前かも)から、金や銀の急上昇を予測してます。
私は、銀は来年後半に世界的な不況で再び下落する前に、次は 44 ドル、最終的には 75 ドルに向かうと考えています。
こちらはデビッドハンター氏の予測をまとめた画像です。2025年の第1四半期までこの価格を到達する可能性があるとしてます。(タイムラインに関しては度々ずれる可能性はあると話しています)
https://x.com/MakeGoldGreat/status/1841790522568147067
GDXやSILなどは金銀鉱山株ですね。こちらに関しても、現在は割安で取引されており、金銀が上昇すれば倍のパフォーマンスが期待できると話されています。
→デビッドハンター氏「金鉱山株GDX約1.5倍、GDXJ約2倍を予測」金鉱山株3つの注意点とは?
時期に関してはずれる可能性はあるとしてますが、この価格上昇自体に関しては相当の自信があるようです。
ハンター氏は米国のハードランディングが2025年半ば以降に発生すると予想し、その際には金銀を含む資産市場は暴落するとしています。
→デビッド・ハンター「2025年半ばに株式は80%下落し、20兆ドル規模の紙幣印刷でインフレ率は25%を超えるだろう」
ゲイリー氏という貴金属アナリストの方の予測。
バリスティックフェーズが始まった。(銀の価格が非常に急速に上昇する局面)
$37-$40は非常に可能性が高く、銀が$50に達するシナリオもある。これについては、プレミアムSMTウィークエンドレポートで詳細に説明している。
ゲイリー氏は銀に関しては強気ですが、金は3,000ドルまでは届かず、2,900ドルくらいの上昇にとどまるだろうと予測してます。
最後はマイケル・オリバー氏。こちらの方も貴金属投資家の間では知名度の高い方です。本人ではないですが、マイケル・オリバー氏の予測を簡潔にポストしてくださっています↓
金属に関する詳細について話すとき、@Oliver_MSA は的確に予測している。
特に、『銀が$32.50でトリプルトップを形成した場合、次回そこに達したときは、それを突破し$40まで急騰するのは確実で、$55まで上昇する可能性もある』という点である。
32.5ドルを超え40ドルに到達し、さらには55ドルまで到達する可能性があると予測しています。
→マイケル・オリバー氏「次の5週間で金は~3200ドル,銀は55ドルに上昇の可能性」は達成可能?リーマンショック時と比較した結果。
先ほどの銀のカップウィズハンドルの動きとかなり近い予想のように思えます。
他にも様々な貴金属投資家の予測を見てますが、やはり直近では35ドル~50ドル。
長期的には100ドル~数百ドルを予想している方多いですね。
もちろん、これらの予想が絶対的中するとは限りませんが、いまのところかなり予測の精度は高いと思います。
個人的には大統領選での相場変動が気がかりなのと、また選挙までの間に何かしらの政治的事件が起きそうな点がやや心配です。
トランプ氏の当選を避けるため、3度も暗殺未遂をするくらいですから、追い詰められた側は最後に何をしてもおかしくないと思います。
いずれにしろ、今後数週間で相場は大きく動きそうですね。
→バンク・オブ・アメリカ「金は最後の安全資産」と警告!米国の債務急増リスクとバンク・オブ・アメリカの思惑とは?
→【2024年版】銀が600ドル(20倍~)を超えるのか?8つの根拠を解説。
→ゴールドが最高値を更新し続ける”本当の理由”とは?今後も上昇する可能性は高いのか?
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