トランプ氏は金本位制支持者?歴代大統領が暗殺される共通点とは?

ご存知の通り、トランプ大統領候補がトランプ暗殺未遂事件が発生し、現在の報道など見るとトランプ氏は耳にかすり傷を負った程度で命に別状なしとのこと。

まずは無事でなによりです。

執筆時点では暗殺未遂事件を受けて、トランプ氏の大統領当選予想確率は70%に急上昇している模様。

https://x.com/Polymarket/status/1812288565524779125

逆にバイデン大統領は最近の会見でのハリス副大統領を「トランプ副大統領」と呼んだりと失言が多く、当選確率は14%まで下落。

次点で大統領候補になるカマラ・ハリス副大統領は9%で、ストレートにいけばトランプ氏が大統領再選するのは、ほぼ間違いないでしょう。

では、貴金属投資家にとってトランプ大統領の再選は良いことなのか?現時点でわかっている材料から推測していきます。

1,トランプ氏は金本位制に肯定的?

まずトランプ氏が大統領になる前2015年のGQのYouTubeのインタビュー内で金本位制に関してこのような事を語っております。

ドナルド・トランプ「金本位制を復活させるのは非常に難しいことですが、しかし、素晴らしいことです。私たちの通貨に基づく基準ができるのです。」

金本位制を実現するのは難しいとしながらも、今のように中央銀行が紙幣を印刷しすぎることで、インフレを引き起こす事がなくなる点で肯定的に捉えているのが分かります。

また、こちらは2016年で大統領選前のインタビューですがここでは「かつて金本位制に基づく強い国だったが、金本位制にするのは難しい。今はアメリカは金を持っていない」としています。

アメリカは公式には金を8,000トン所有しているので、一応世界最大の金保有国なのですが、なぜ「アメリカには金が無い」と言っているのか意図は分かりません。

ただ、アメリカの金保有量最後の公表監査は1974年を最後に行われましたが、その後の監査報告書は完全公開されていません。

実はもう金が無いか、減少しているのではないか?という憶測は以前からあります。

https://Twitter.com/WallStreetSilv/status/1659284789898215429

逆に以前から金に強気なジムリッカード氏なんかは「アメリカに金は無いと言われているが実はある」としています。

個人的には少なくなっている可能性はあるものの、金自体はあるのではないか?と予測してます。

それはさておき、トランプ氏が金本位制自体に肯定的な意見であるのは分かると思います。

トランプ氏は無類のゴールド好き

2,トランプ大統領時にFRB理事にジュディ・シェルトン氏を指名

以上はトランプ氏が大統領になる前の発言です。

では大統領になった後からはどうなのか?と言うと、金本位制に肯定的なジュディ・シェルトン氏をFRB理事に指名しています。

シェルトン氏はトランプ大統領の経済顧問を務めた経歴があり、FRBの政策については批判的な見解を示している人物です。

トランプ氏は大統領時にシェルトン氏をFRB理事に指名したのですが、上院によって阻止されバイデン大統領により指名を取り下げられています。

バイデン米大統領、シェルトン氏のFRB理事指名取り下げ

バイデン米大統領は4日、トランプ前大統領が連邦準備理事会(FRB)理事に指名したジュディ・シェルトン氏の人事を取り下げた。

https://jp.reuters.com/article/usa-biden-shelton-idJPKBN2A4343/

ジュディ・シェルトン氏の連邦準備制度理事会理事候補としての指名は、上院によって阻止されましたが、再度持ち出される可能性もあります。トランプ大統領は彼女を中央銀行に適任と考えていましたが、少なくとも3人の共和党議員が彼女に対して懸念を示した。

https://www.vox.com/policy-and-politics/2020/11/17/21569992/judy-shelton-federal-reserve-trump-nominee

大統領時に金本位制肯定派のジュディ・シェルトン氏を指名することから、大統領になり自身が米国財務政策に関わった後でも金本位制に肯定的だと考えられます。

もし、トランプ氏が再選した場合再びジュディ・シェルトン氏をFRB理事に指名するのでしょうか?

少し前には「大統領に再選してもパウエル氏はFRB議長として再任しない」と発言しているのが気になるところです。

ドナルド・トランプ氏は、大統領に再選されたとしても、ジェローム・パウエル氏を連邦準備制度理事会議長に再任しないと述べている。

金本位制✕暗号通貨のアイデア?

また、シェルトン氏はただ単に旧来の金本位制を支持していると報道されていることが多いのですが、発言を見ると暗号通貨と金本位制をペッグするようなアイデアがあるように見えます。

ジュディ・シェルトン氏
「金に裏付けられた通貨のアイデアが好きです。それは暗号通貨のような形でも実現できるかもしれません。」

まるで、「シェルトン氏は金貨や銀貨を持ち歩く時代に逆行させようとしている」

とメディアがイメージを植え付けようとしているように見えますが、ただ単に以前のような金本位制を支持しているわけではないようです。

そしてもう1つ気になるのがトランプ氏がビットコインに対して、肯定的な意見に変わっている点です。

2021年6月のフォックスビジネス(FOX Business)のインタビューにて

「ビットコインは詐欺のようだ」

「ビットコインは好きではない。なぜならドルと競合する別の通貨だからだ。私はドルが世界の基軸通貨であるべきだと思っている」

と否定的な意見を言っていたりと、かなりビットコイン否定的な意見が目立っていました。

ただ、最近は最近はビットコインにかなり肯定的な意見を連続して発言しています。

トランプ陣営、ビットコインと暗号通貨軍の創設を誓う: CNBC

トランプ大統領:「彼らはビットコインを嫌っている。なぜなら、それを制御できないからだ!私はビットコインの大ファンだ。私はビットコインで米ドルを支持する!」

https://x.com/SimplyBitcoinTV/status/1811224152336150589

それもあってトランプ氏の暗殺未遂事件直後、ビットコインは下落していますが、トランプ氏が命に別状は無いと報道されるとビットコインは急騰しています。

事件があったのは日本時間14日朝7時くらいですので、この事件の影響でしょう。

トランプ氏は中央銀行デジタル通貨(CBDC)を懸念

トランプ氏がビットコインを推し始めた理由の1つは中央銀行デジタル通貨(CBDC)を懸念してのかと思います。

中央集権的な管理である中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)で、政府の監視や管理が強化される可能性も指摘されています。

逆にビットコインなどの暗号通貨は非中央集権の分散型ネットワーク上で行われるため、プライバシーや取引の透明性があるという利点があります。

ただ、ビットコインもメリットは複数ありますが、ボラティリティが大きいなどデメリットもあります。

貴金属などペッグする事で過度のボラティリティ変動が起き難い暗号通貨を開発する計画などあるのでしょうか?

最後にジュディ・シェルトン氏がにおわせ発言をしているので紹介します。

問:1971年、ニクソンが金本位制を廃止しました。2024年にそれを復活させる?

シェルトン氏「そんな感じですね。でも2026年になるかもしれません。お楽しみに。」

https://x.com/judyshel/status/1781472967282598175

3,歴代大統領が暗殺された理由とは?

元外交官である馬渕睦夫氏によると、過去に暗殺された大統領は”中央集権的な金融機関やそのコントロールに抵抗したため”に命を落としたとされています。

リンカーンは1865年に暗殺されましたが、その最大の理由は、彼が政府通貨を発行したこと、ひいてはイギリス(を裏で操るシティの金融資本家たち)が目指した「アメリカの南北の分裂」を失敗させたことにあると思われます。

(暗殺された)ジャクソン大統領は、実は命を懸けてアメリカの中央銀行を廃止した大統領でした。当時アメリアで中央銀行の役割を果たしていた第二合衆国銀行は、20年ごとに営業認可を更新していたのですが、ジャクソンはそれを認めなかったわけです。

そんなジャクソンの肖像画を、トランプはホワイトハウスの執務室に掲げていました。非常に意味深いですよね。つまり、トランプの最終目的はFRB〔Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会〕の廃止だったと私は睨んでいるんです。

ガーフィールドは「我々の国では、おカネをコントロールする者が産業や商業の頭となっている」と語り、1881年3月の大統領就任からわずか4カ月後にワシントンで銃弾に倒れています。

https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1955?page=2https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1955?page=2

また、ケネディ大統領が暗殺される5ヶ月前にFRBではなく、米国財務省が銀本位制に近い通貨を発行する大統領令を発行しているのは有名な話です。

ジョン・F・ケネディ

大統領命令11110:

この命令は、財務長官に銀証書を発行する権限を与えました。銀証書は、銀と引き換え可能な紙幣の一形態でした。

この措置は、連邦準備制度の通貨供給に対する管理能力、ひいてはその権力を制限する試みと見なされました。

ジョン・F・ケネディとか言うと陰謀論扱いされることが多いのですが(実際陰謀論も多い)ケネディ大統領Executive_Order_11110が発令したのは歴史的事実で、Wikipediaでも掲載されてます。

1963年6月4日、アメリカ合衆国のジョン・F・ケネディ大統領によって発令された行政命令11110号は、以下のように述べられています。

この行政命令は、1951年9月17日にハリー・S・トルーマン大統領が発令した行政命令10289号を修正し、以下の権限を財務長官に与えました。これにより、大統領の承認、批准、または他の行動なしに以下の任務を行うことが可能とされました。

具体的には、1933年5月12日の法律第43条(b)項によって大統領に与えられた権限を修正し、以下を追加しました。

財務省において準備されていない銀のインゴット、銀、または標準銀ドルに対して銀証書を発行する権限。
その銀証書の面額を指定する権限。
標準銀ドルと準銀貨幣を鋳造し、それらの引き換え用途に供する権限。

https://en.wikipedia.org/wiki/Executive_Order_11110

FRBを通じた通貨発行ではなく、財務省が直接通貨を発行することによって、FRBの影響力が制限される可能性が憶測されています。

ではトランプ氏に関してはどうなのか?ですが、上でお伝えしたように”金本位制に肯定的なシェルトン氏を起用”、”ビットコインを推奨”、”パウエル議長を再任命しない”など

歴代の暗殺された大統領のように”中央集権的な金融機関やそのコントロールに抵抗”しているように見えます。

また数ヶ月前には以下のようなポストを投稿し、貴金属投資家のコミュニティでは少し話題になりました。

”合衆国憲法の第1条第10節第1項:
「州は条約、同盟、または連合に参加することはできない。私掠船と報復行為の許可を与えることはできない。貨幣を鋳造し、紙幣を発行することはできない。金や銀貨以外の物を債務の支払いにおいて法的な通貨とすることはできない。追訴法(Bill of Attainder)、事後法(ex post facto Law)、契約の義務を侵害する法律を制定することはできない。また、貴族の称号を授与することもできない。」

https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/112000466423425620

トランプ氏が暗殺未遂にあったのは、中央集権的な金融機関やそのコントロールに抵抗したためなのでしょうか?

アメリカ合衆国の「建国の父」の一人として知られるジョン・アダムズ大統領もこのように述べていました。

第2代アメリカ合衆国大統領
ジョン・アダムズ
「銀行システム全体が、あらゆる公正な原則に違反している。預金銀行以外にまっとうな銀行はない。利子をつけて紙幣を発行する銀行は、スリか強盗だ。しかし、この幻想はなお続くだろう…。これを止めなければ、貴族階級が生まれ、致命的になるだろう」

今後どうなる?私の妄想

1月の時点でトランプ氏は次のように語っています。

「もし私が勝たなければ、1929年のそれと比較してさらに悪い株価『暴落』が起こると予測します。それは大恐慌のようになります」

https://www.zerohedge.com/political/trump-warns-market-crash-and-1929-style-great-depression-if-he-doesnt-win

では実際今の経済はどうなのか?ですが

6月のCPI 前月比
結果:-0.1%
予想:+0.1%
失業率 +4.1%

大恐慌とはまだほど遠いものの、確かにインフレ的だった指標がデフレ的な指標に変化してきています。

このまま大恐慌に突入するのでしょうか?だとしたらトランプ氏は大恐慌を回避できるのでしょうか?

個人的には伝統的な金融政策では例えトランプ氏になったとしても、大恐慌が起きれば膨らみすぎた米国債務額が足を引っ張り身動きできないのではないか?と予想してます。

現時点で米国債務に関してもGDP比で120%を超え、利払いだけでも1兆ドルを超えてます。

今までは大きなリーマンショック等の景気後退に陥ったとしても、大規模緩和でなんとかしのいできました。

しかし、現在は収まってきたとはいえ、未だにインフレは3%を超えており更に緩和策を講じれば、1970年代のような超インフレが懸念されます。

1970年代のスタグフレーションでは、インフレが収束→利下げ→インフレ再燃→インフレ収束を3度繰り返しインフレ率は最終的に14%を超えました。

 

現時点ではトランプ氏は関税と法人税の減税を政策に掲げていますが、例え良い方向に向かったとしても任期は4年だけです。

数学的に返済不可能と言われる債務をどうにかしなければ、トランプ氏といえども身動きはできなように感じます。

この米国債務に関してミスターゴールドと呼ばれたジム・シンクレア氏は

「米国政府が保有する金の価格を例えば、1オンスあたり50,000ドルまたは87,500ドルに引き上げ再評価し、金の価値を使って、国家の債務を相殺する」

と理論を述べました。(海外の金、銀投資家アカウントでは結構有名な理論です)

ジム・シンクレア氏「シンプルな計算によると、$50,000から$87,500が金の価格だ」

一見すると突拍子も無いアイデアに感じますが、歴史を振り返るとある日突然「金本位制の放棄する」宣言や、「プラザ合意」によって急速に円高になるような”突拍子も無い”金融政策は多々実行されてきました。

金がいきなり50,000ドルまたは87,500ドルなど引き上げられたら、当然市場は混乱するでしょうが、米国がデフォルトするよりは混乱しないと思われます。

トランプ氏がこの計画を実行する可能性が高いとは言えないです。

ただ、BRICS側が金を担保にした通貨の開発や、ジュディ・シェルトン氏を起用を検討していた点からすると、何かしらの貴金属に関連した政策があってもおかしくはないと思います。

記事を書きながら銀行家がかつてこのような本音を漏らしたのを思い出しました。

ジョン・ピアポント・モルガン(J.P.モルガン)「ゴールドはお金です。それ以外はすべて信用です。」

ロバート・キヨサキ「株式、債券、金、銀、BTCの価格の史上最大の暴落が来る。」

【7/12】米国CPI下振れで金2,420ドル、銀32ドルに上昇。銀は過去の利下げで平均+332%等 8つのニュースやポスト。

 

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