貴金属アナリストの方で著名@JanGold_さんからの情報です。
こういったセンシティブな内容の情報はデマやミスリードなど多いのですが、@JanGold_さんはデマやミスリード等見た限りなく、かなり信憑性が高いと思われます。
その@JanGoldさんがサウジアラビアが密かにゴールドを160トン購入しているという内容の記事を公開し、貴金属投資家の間で話題になっています。
記事内容をざっくりと要約するとこのような感じです。
- サウジアラビアは、アジアの他の国々と同様に、金価格が高くても、積極的に金を購入している。最近、サウジ中央銀行（SAMA）はスイスで160トンの金を密かに購入しており、これが金のブル・マーケットを支えている。
- サウジアラビアの金需要は、金価格が上昇すると減少し、下落すると増加する傾向があったが、2022年以降は金価格が上昇し続けても金の輸入を継続している。
- SAMA（サウジアラビア中央銀行）は、秘密裏に金購入を加速させており、その購入量は報告されていない分も含めて急増している。特に、スイスからの輸入データがSAMAの隠れた購入の証拠となっている。
- サウジアラビアは公式には332トンの金を保有していると報告しているが、実際にはこれよりも遥かに多くの金を所有している可能性がある。サウジアラビアの金保有量に関するデータは公開されておらず、政治的な理由からも正確な情報は知られていない。
１，サウジアラビアは密かに160トンものスイスから金を購入している
今までサウジアラビアは金輸出国であったのですが、2022年に欧米がロシアに対してドル資産を凍結して以来、金が高値になっても秘密裏に購入を続けているとのこと。
そして購入量は160トンにも及ぶかなりの量です。
160トンといっても想像がつきにくいかもしれませんが、先日ロシアが7倍の金購入量を発表した際、金の重量に換算すると約20トン前後です。
→ロシアが金の購入を7倍に増加！BRICSサミットで金40%裏付けの新通貨を発表か？
日本が所有している金は約800トン（ニューヨークに預けているようですが）
イギリスは300トン、スペイン280トンといった具合で先進国でも、それほど多く持っていない国もあります。
そう考えると、たった2年で160トンというのは凄まじい購入量だと理解出来ると思います。
ではなぜ今になってサウジアラビアが金を密かに購入しているのが判明したのか？
サウジアラビア公式が発表している純輸入量から、国内の消費者需要を引くことで、消費者に売られていない金の量がわかります。
これにより、輸入した金が一般消費者向けに消費されているのか？が分かります。
そして、スイスからサウジアラビアへの金輸出量と、サウジアラビア国内で消費されていない金の量を比較すると強い一致が確認できるとのこと。
ソース元のデータを見るとたしかに、サウジアラビアの金輸出量が急増すると、同時にほぼ同じ量のスイス金輸出量が確認できます。
他にもいろいろと書かれていますが、サウジアラビアは公式には332トンの金を保有していると報告しているが、実際にはこれよりも遥かに多くの金を所有している可能性がある。
サウジアラビアの金保有量に関するデータは公開されておらず、政治的な理由からも正確な情報は知られていないとしてます。
こっそりと金を買うことで米国との摩擦を避けているとしていますが、少し前に騒がれたペトロダラーが終了したという話と関連はあるのでしょうか？
→【6月16日金銀ニュース】サウジペトロダラー契約が終了？他5つ
２，BRICS通貨に参加？
先日のニュースですがサウジアラビアの皇太子は中国の李強首相を招き、「サウジアラビアと中国は、あらゆる分野での二国間協力の強化に加えて、サウジビジョン2030と一帯一路構想の統合に熱心である。」と報道されてます。
https://www.arabnews.com/node/2570962/saudi-arabia
また、サウジアラビア皇太子がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談しているのも報道されています。
https://Twitter.com/BRICSinfo/status/1833168103049502981
米国からBRICS側にシフトしているのは間違いないでしょう。
そして、個人的に気になるのは10月22日～24日に開催のBRICSサミットに参加するのか？という点です。
このサミットではBRICS UNITと言った共通通貨が発表されるとしています。
重要なのはこの通貨が金40％が裏付けされるという点です。
BRICS Unitは金の価値の40%と、BRICS諸国の国別通貨のバスケットの60%に基づいて価値が決定されます。
→ロシアが金の購入を7倍に増加！BRICSサミットで金40%裏付けの新通貨を発表か？
もし、私が以前予想していた、「BRICS通貨に参加する条件が一定以上の金の保有」だとすれば、サウジアラビアがこっそりと金購入している点は辻褄が合います。
また、サウジアラビアではないですが、先日トルコがBRICS参加を正式に表明し、トルコも金を大量に購入してます。
Turkey Bids to Join BRICS in Push to Build Alliances Beyond Westー
Bloomberg
ゴールドを購入するということは、ドルを信用していない、つまりドルから逃げている言う事です。
現在ドルが基軸通貨であり、全てのものが元を辿ればドルで価値が計られます。円などの通貨でさえ、円安、円高と言った具合でドルを物差しにして価値が計られます。
しかし米国が経済、政治的など自国の都合でドルを大量に印刷すれば、インフレが発生しドル資産を持っていれば自動的に価値が目減りして行きます。
現在米国の債務が急速に増加していると言われてますが、ある意味、急速にドルを印刷しているということです。
→イーロン・マスク「米国は破産しつつある」ドルの価値は過去4年間で25%の価値が減少しているのは本当か？
よく”金はインフレヘッジ”と言われますが、インフレとは通貨の購買力が下がるということです。
通貨の購買力が下がるということは、ドルの信用力が減少しているということです。
そして、中央銀行は史上最速のペースで金を購入しています。つまり史上最速のペースでドルから逃げているということです。
当然サウジアラビアからしてみても、米国の都合でどんどん資産が目減りしていくのは好ましくないでしょう。
それにしても我々は時代の転換期にいるのかもしれません。
→債権王ガンドラック氏「人々を金やビットコインに駆り立てるのは”終わりのない債務システム”のせいである」
