中国スタートアップ企業設立数-99.5%はフェイクニュース。今後金,銀投資家が気をつける点。

少し前「中国のスタートアップ企業数が激減した。中国経済はもう終わりだ」という報道がファイナンシャル・タイムズで取り上げられました。

日本でも金融系のインフルエンサー等が取り上げてましたが、これはフェイクニュースだったようです。

元ポストはコチラ↓

中国に到着して以来、創業者やベンチャーキャピタルとの面会を通じて、私は現在の国家情勢について非常に暗い見方を抱くようになりました。

状況は最悪だ。

2018年には51,302社の新しいスタートアップ企業が設立されました。昨年はその数は1,202社に減少しました。

https://x.com/EleanorOlcott/status/1834109085450731530

リーマンショック後と比べてもかなり衝撃的な減少率で、このグラフを見て胡散臭いなと思っていましたが、やはり「このデータは間違っている」という反論があちこちで出ています。

このニュースの情報元としてITJUZI という中国のスタートアップ企業やベンチャーキャピタルに関する情報プラットフォームのデータです。

しかし、このITJUZI 創業者の方が直接このEleanor 氏に対して「このデータは間違っている」とリプライされております。

こんにちは、私はhttp://ITJUZI.COM創設者兼 CEO の Feixiang です。この記事の ITJUZI からの中国のスタートアップ企業の数に関する引用は不正確です。次の説明をしたいと思います:
@EleanorOlcott

https://x.com/wenfeixiang/status/1834465724489662629

内容と見るとFeixiangCEOは、ITJUZIのデータがすべてのスタートアップ企業を網羅しているわけではなく、特定の基準に基づいて選択的に情報を提供していると述べています。

スタートアップ企業の内の特定の業種などのみデータに載せているのに、あたかも中国全てのスタート企業だとファイナンシャル・タイムズの記事にしていたというわけですね。

中国経済は減速しているのは確かですが、それでもGDP上半期の経済成長率は5.0%は維持しています。

経済が強いと言われている米国でもGDP成長率は3%です。その米国では100万社の新しい企業がありますが、人口も3億人程度で中国よりも少ないです。

中国のデータが信用できないという点を差し引いても、1,202社という数字はありえないというのはすぐに分かるはずです。

Windという別の中国の金融データおよび情報プロバイダーデータを取り扱うサイトでは、実際の数値に近いデータを参照することができるようです。

それによると2024年現在、中国ではすでに600万以上の新しい企業が設立されており、これは2018年の全体の46.8%増加しているとのこと。

Windのデータに含まれている企業はすべて「適切な手続きを経て登録された」企業なので、これらの企業もグラフカウントされるべきであるとしています。

また、別のデータですがこのグラフは、世界のIPO(新規株式公開)による資金調達のシェアです。

https://x.com/Kanthan2030/status/1834525013879226625/photo/2

2021年をピークに中国のシェアは減少傾向にありますが、それでも米国を超える巨大な市場であることは確認できます。

データは信頼できるのか?ですが出典元であるDealogicは、金融市場のデータ提供会社として知られており、多くの金融機関や投資家が利用しています。

金融データの精度には定評があり、信頼できるデータソースの一つと言えるでしょう。

もし、この巨大市場がスタートアップ企業が設立数-99.5%になるほど急激に縮小しているのであれば、とっくにリーマンショックを超える経済危機が発生しています。

つまりまとめると、Eleanor氏は事実以上に中国経済が後退していると見せかける為に、恣意的にデータを絞ってこのようなデータを公開した可能性が高いです。

なお、この記者はリプ欄で「普通に考えれば分かるだろ」と批判が集まっている模様。

エレノア、批判的に考える能力がある人なら、あなたの情報源の解釈が全く信じられないものであったことが分かったでしょう。

この大きな失敗を受け入れて、そこから学んでください。

今後、貴金属に対するプロパガンダ合戦はあるか?

今後このような中国に対する経済面でのプロパガンダ情報は多くなっていくと予想されます。

中国側がプロパガンダをしないとは言いませんが、だからといって米国が反中的な情報を流さないというわけではありません。

先日ですが、「米国下院は海外で反中国プロパガンダを展開するために16億ドルを可決」という報道がありました。

下院、対中国プロパガンダのために16億ドルの予算を承認

アメリカ政府が中国が世界中で行っていることに対して自国の意見を提示することには明らかに問題はありませんし、その意見を必要に応じて強力に伝えることも許容されます。しかし、この法案は「独立メディアや市民社会」およびその他の情報活動を外国で補助することに加え、すでに日常的に行われていることを超えています。

https://responsiblestatecraft.org/china-cold-war-2669160202/

約2兆2400億円もの大規模な資金が反中情報に利用されるとのこと。

ここで、貴金属投資家として考えるのは金や銀に対してのプロパガンダもありえない話ではないということです。

現在中国を始めとする反米側、BRICS諸国の中央銀行は大量に金を買い込んでいます。

米国側がこれを好ましくないと感じた場合、貴金属に対してネガティブな情報が流れる可能性は大いに考えられます。

以前、中国の中央銀行が金の購入が続いた際に、金価格が上昇しました。そして、中国の金購入が停止が報道された途端に金価格も大きく下落。

これに関しては実際に表のルートでの購入は停止していたのですが、影響力のあるアナリストやインフルエンサーに「中国の金購入は停止した。もう金の価格上昇は終わりだ」というようなプロパガンダを流すことも可能なわけです。

実際当時「中国の金買いは終わったから、もう金は上がらないだろう」という言説は少なからずありました。

しかし、その後も金は上昇し最高値を更新し続けています。

もし、当時の言説を信じ溜め込んでいた金を売却していたらどうなるでしょう?

当時の言説がプロパガンダとは言いませんが、今後このような貴金属に不利と思われるような情報が拡散される可能性がありえます。

米国経済は強い!無敵だ!と報道する一方で、非米側の経済は崖っぷちであると報道し続けることによって、少しでも米国経済の延命を謀る意図があると推測してます。

いずれにせよ、個人的な感情やバイアスに振り回されないようにしていきたいものです。

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