【6月最終週ニュース】日本円が161円突破。トルコリラやアルゼンチンペソより下落等 14のニュース

目次

6月最終週の1週間の金銀に関連する経済面、地政学面でのニュースをまとめていきます。

1,日本円が161円突破。トルコリラやアルゼンチンペソより下落

節目となる160円を超えてしまうのか?と言われてましたが、普通に160円超えてしまいました。一時は161円になるまで上昇。

https://x.com/Anthony6355/status/1806492017800966443

執筆時点だと160.835円。

4月29日に160円を超えた時は為替介入が入り、一時は152円まで下落したのですが、たった1月半で全戻し。

再び160円を超えたら介入が入るのではないか?という予測もありましたが、現時点では「緊張感を持って注視」してるだけのようです。

先日米国財務省から「監視リスト」対象に再指定されたので、身動き出来ないのでしょうか?

アメリカ財務省 日本を為替操作「監視リスト」対象に再指定

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240621/k10014487641000.html

鈴木財務大臣は「あくまでも一定の基準に沿って機械的に評価されただけ」と述べていますが、それを言い出したら、どんな規則もや法律も「一定の基準に沿って機械的に評価しているだけ」ということになるんですが。

円の下落を止める為には日銀の政策金利を上げる必要がありますが、政策金利も一時1.08%程度まで上昇。

植田総裁は国債買い入れを減額すると言っていますが、もはやそういう次元の話じゃありません

他国は通貨安を抑える為にどんどん金利を上げているというのに、未だに国債買い入れを止めるどころか”減額”です。

なぜ金利を上げられないのか。日銀は既にGDP比250%以上の債務率でこれは世界でもトップクラス。

この状態で金利を上げれば、利払い費が増加し雪だるま式に債務額が増加し、債務超過に陥ります。

さらに悪いのは異次元の低金利を維持しているにもかかわらず、6月の国内総生産 (GDP) 対前年比
-1.8%。

https://jp.investing.com/economic-calendar/gdp-1053

他国は金利を上げているのでGDPが減少するのは、理解できますし景気後退に陥れば金利を引き下げる余地はありますが(インフレ再燃の問題は別として)日本の問題点は超低金利状態にもかかわらずGDPマイナス成長という点です。

この状態で金利まで上げれば、更にGDPが下がるでしょうし、かと言ってこのまま金利を上げなければ円の価値は底なしに下落していくということです。

ちなみにハイパーインフレが発生しているアルゼンチンペソやトルコリラより更に下落率が高いです。もはや通貨危機に片足突っ込んでいる状態です。

これを受けてゼロヘッジからコメント。

「親愛なる日銀、おめでとうございます。あなたのトイレットペーパーのような通貨は世界で最も価値の下がる通貨になりました。
リラやペソ、レアルよりも価値が下がっています
しかも最高なのは、一度それを抑えても、債券市場のクラッシュが待っているということです。」

 

2,東京都区部消費者物価指数(東京CPI・6月分)内訳です。総合/コア/コアコアのすべてが前回から上振れ

インフレ再燃の兆し。

電気ガスの補助金が段階的に終了するので、電気ガス代が上昇したのが原因でもあります。

ただ、東京都は高校学費無料にしているので、これでも大幅にCPIの数値を抑えています。

 

そもそも電気ガス補助金や学費無料にすることで、インフレ率を低い値にみせかけているのがインチキにしか思えませんが・・・

もし、今後日本CPIが上昇した時、日銀は果たしてインフレを抑えるほどの金利を上げることができるのでしょうか?

3,神田財務官が退任

4月、5月に過去最大の円買い介入9.7兆円の市場介入に踏み切った神田財務官が続投の可能性も噂もありましたが退任。

この円安相場で過去最大の介入をした財務官が退任するので、このニュース自体が更に円安方向になるのでは?と予想したのです。

ただ、ほぼ同時期にトランプとバイデン大統領の討論会があり、トランプの当選率が高くなったこともあったのかそこまで円安方向に動かなかった印象です。

(トランプは減税、関税政策なのでドル安になると予想されている為)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240628/k10014495271000.html

4,トランプとバイデン大統領選の討論会。バイデンは交替か?

11月の大統領選挙に向けて、トランプ氏とバイデン大統領が一対一で討論会が開かれました。

以前からバイデン大統領は壇上で度々コケていたり、言動が危うい面があったので何らかの言い訳で討論会が中止されるのではないか?と予想もありましたが、通常通り開催。

ただ、報道でもある通りバイデンの言動もおかしければ、時には下にうつむいてぶつぶつ意味不明な事を言い出したりと散々な結果に。

討論会のあとでは、トランプ支持率が上昇。

https://Twitter.com/stats_feed/status/1806712910611185838

個人的に驚いたのがどんなに酷い内容であっても、いつもであれば主要メディアはトランプ叩き、民主党擁護の報道が多いのですがあのCNNですら、バイデンの言動をファクトチェックし発言が嘘であると報道しました。

そして他のメディアに関してもまるで台本でも用意されていたかのように”民主党はパニックに陥っている”と報道しています。

バイデンを引きずりおろし、代わりにギャビン・ニューサムカリフォルニア知事や、ミシェル・オバマを大統領候補にするのでは?という憶測が流れています。

ただ、個人的には11月から選挙が始まるというのに、今から大統領候補を変えたところでどう考えても間に合わないと思います。

このまま何とか経済危機を大統領選後まで引き伸ばし、あえてトランプに経済危機を投げる?

5,ジュリアン・アサンジが釈放される

アメリカ司法省との司法取引の結果、機密情報を不正に取得・公開した罪を認め、すでに服役している時間を考慮されて釈放されました。

WikiLeaksという政府の機密情報(政府にとって都合の悪い)を暴露した事で逮捕されていました。

ジュリアン・アサンジの経歴などはご自身でお調べ頂きたいのですが、個人的に気になったのはこの発言。

 

もしかすると、今後銀行に関して何かしらの暴露情報が公開されるのでしょうか?

6,マレーシアとタイがBRICSに加盟計画を発表

「BRICSなんてならずもの国家の集まりだぁ」とか何とか日本では言っている人も見かけましたが、BRICS加入する国が後を絶ちません。

BRICS: 2 New Countries Announce Plans to Join the Alliance

また他にもコンゴ、カメルーン等もBRICS加盟を計画しているようです。

 

https://Twitter.com/BRICSinfo/status/1804883653392052234

日本では中露などの国が悪者国家と数十年報道されているので、信じられないかもしれませんが、G7監理国家以外ではそうではないようです。

4,経済関連ニュース等

1,米国は今年5月までに275社の大企業が倒産しており、2010年以降で2番目に多い数字。

 

米国は今年5月までに275社の大企業が倒産しており、2010年以降で2番目に多い数字となっている。

過去14年間で、破産登録件数がこれより多かったのは2023年のみで、277件だった。

2024年5月だけでも62社が倒産しており、これは2020年以降で3番目に多い月間数だ。

2023年に引き続き倒産件数が多いようです。インフレ加速ルートか、景気後退ルートか?が貴金属投資家にとって気になるところ。

もし、景気後退→利下げ→インフレルートであれば、リーマンショック等のように一時的に金、銀価格も下落するからです。

例え景気後退が先に来たとしても、結局のところ利下げが必要になるので、もしそうなれば1970年代のようなインフレの波が何度かくるか、もしくは一気にインフレが加速するのか

と言った感じなので貴金属に強気なのは変わりませんが、どのようなルートをたどっていきインフレがすぐに加速していくのか?緊張感を持って注視していきます。

2,米国の債務は今後10年間で56兆ドルを超えるペースで増加

ニューヨーク・タイムズのような主要メディアでも米国債務に関して危機を継承しているのは気になるところ。

3,Nvidia CEO のジェンセン・フアン氏は、 $NVDA株を 2,930 万ドル相当追加で売却。

先日も自社株を売却していましたが、また追加で売却しているようです。

NVIDIAに関してもきな臭い話をよく見ますが果たしてどうなのでしょう。

4,ノーベル賞を受賞した経済学者16人が「ジョー・バイデンの経済政策はドナルド・トランプよりはるかに優れていることに全員が同意する」とする書簡に署名

速報:ノーベル賞を受賞した経済学者16人が「ジョー・バイデンの経済政策はドナルド・トランプよりはるかに優れていることに全員が同意する」とする書簡に署名

 

個人的に気になるのは、なぜこの16人の経済学者はこの4年間バイデンにインフレを抑えるアドバイスをしなかったのでしょうか?

16人も天才的な経済学者様がいるのにもかかわらず、誰もバイデンのバラマキ政策に警鐘を鳴らさなかったのかが謎。

ただ、トランプは今のところ”減税””高い関税をかける”というような政策を公表しているので、確かにインフレよりの政策ではあります。

恐らく何かしらの策があると思いますが、どうなのでしょうね。

5,ゴールド、シルバーに関するニュース等

1,バンク・オブ・アメリカは、今後12〜18ヶ月以内に金価格が1オンスあたり3,000ドルに達する可能性があると予測。

主要銀行が推しだすと何かたくらんでいるのかと勘ぐってしまいます・・・

そろそろ、ゴールドロングポジションに変更するのでしょうか?

2,上海金、銀価格はプレミアムだが、銀の在庫は大幅増加

上海価格

金 2331.79ドル
銀 32.62ドル

まだ西側価格よりプレミアムはありますが、銀在庫は1000トンまで増えてます。先日は700トン以下まで在庫が一気に減っていったのですが、今度は一気に在庫が回復。

もう一つ気になるのがコメックスの在庫も増加している点です。

https://Twitter.com/Anthony6355/status/1806946206087782624

どこかの銀行が銀を放出しているのでしょうか?銀の在庫が増加したところで、世界の銀の採掘量が増加するわけではないですが、どこから増えているるのか?気になるところです。

3,JPモルガンは銀の目標価格を34ドルに引き上げ

貴金属専門家のアンディ・シェクトマン氏によるとJPモルガンは銀の価格を2025年までに34ドルまで上昇すると、予想価格を引き上げたようです。

 

またかつてクレディ・スイスでストラテジストとして活躍していたゾルタン・ポサール氏も

「2%のインフレ率を目指すことが現実的ではなく、インフレは持続的に高い水準に留まると考えられる」

ただ、銀のショートポジションを保持しているJPモルガンが銀に強気な予想をしているのは不気味な感じもあります。

そろそろ、ショートポジションを精算するのでしょうか?

4,逆神ジム・クレイマー氏は金の価格が上昇する前に一時的に下落することを予想

金価格は上がる前に下がるだろうという当社の商品専門家カーリー・ガーナー氏の意見に私も同意します。まだ早すぎます…

いつも逆神と揶揄されちえるクレイマー氏がゴールドについて言及。

クレイマー氏が強気発言すると、逆に相場が動くことが多いので、海外でも逆神扱いされてます。

リーマンショックが発生するまえベア・スターンズ銀行が破綻したのですが、その時クレイマー氏はベア・スターンズ銀行は安心ですとアドバイスした直後に破綻したのが有名です。

逆神が発動するのであれば、ゴールドの価格は大きく上昇してから下落?それとも普通に上昇していく?のでしょうか。

ただ、逆神と揶揄されることが多いですが、ゴールドが一時的に下落し、その後上昇するという話に関しては確かに一理あるなと思っています。

先ほど述べたように景気後退→利下げ→インフレ再加速の流れであれば、リーマンショック等のように一時的に株価や貴金属の価格も下落するからです。

ということで今週も一週間お疲れ様でした。

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