今後1年でゴールドは2,800ドル~3,000ドル、シルバーは40~45ドルに上昇?等13の金銀関連ニュース【9月初週】

目次

1,ゴールド、シルバーに関するニュース等

1,金2,500ドルを維持、銀28ドルまで下落

米国GDPが上方修正された

第2四半期GDP第1次改定値3.0%、予想2.8%
個人消費2.9%、予想2.2%
物価指数2.5%、予想2.3%

のとPCE(FRBがインフレ目標を設定する際に重視)の数値がそれほど動かなかった点もあって、リスクオフ資産であるゴールドやシルバーは価格は下落。米国10年債も金利上昇しています。

下落はしているものの、なんとか2,500ドルは維持。

 

シルバーの方は下落が大きいです。執筆時で28.858ドル

GDPが上方修正されたのを受けて、「やはり米国経済は強い!ソフトランディング!」と市場は認識したようです。

果たして本当に米国経済は強いのか?については後述します。

2,スワップディーラーによる金先物のネットショートポジションがCOMEXで過去最高に達した

@InProved_Metalsさんからのデータです。

スワップディーラーによる金先物のネットショートポジションが、COMEXで過去最高の水準に達した。
現在、そのポジションは-254K契約(約640億ドル)に達しています。

https://Twitter.com/InProved_Metals/status/1829806995324497998

スワップディーラー(大手投資企業)が金の価格が下落することを予想していることを示しています。

過去最高の規模でショートを積み重ねているということは、よほど金の価格下落に自信があるのでしょうか?それとも価格上昇を抑えたいという思惑もあるのでしょうか?

個人的には景気後退もチラホラ聞こえているので、株価などと同時に暴落してもおかしくはないと思います。

とはいえ、一時的に暴落する可能性はあるのですが、過去の金融危機においては暴落後→金融緩和で上昇することが多いのであまり気にしてません。

→過去の金融危機で金、銀も大暴落した?S&P500と下落率を比較した結果・・・

3,ウォーレン・バフェット氏バンク・オブ・アメリカの株を大量売却

速報: ウォーレン・バフェットはバンク・オブ・アメリカの株 さらに約8億5000万ドル相当の$BAC株を売却(先日27日から更に追加で)

7月19日に $BAC 株の売りが始まって以来、合計は約65億ドル。

https://Twitter.com/DarioCpx/status/1829664006443057173

バフェット氏はApple株を50%売却したり、現金保有率が過去最高だったりと「まるでなにかに備えているのでは?」と憶測がありましたが、今度はバンク・オブ・アメリカ株も大量に売却しました。

バンク・オブ・アメリカは銀の大量のショートポジションを抱えている銀行の1つとされています。

そのバンク・オブ・アメリカの株を売却しているということは、銀のショートポジションも精算される時期が近くなっているのではないか?と一部の貴金属投資家の間では話題になっています。

最近のバンク・オブ・アメリカの報告書でも、在庫の減少が「不足を顕在化させ始めている」と示唆しています。

https://www.jpost.com/business-and-innovation/precious-metals/article-814643

もう1つ個人的に気になってるのはショートポジションを抱えておきながら、銀行らは金、銀の価格を上方修正している点です。

【2024年版】金価格はどうなる?世界の10大銀行の予想を比較

今後の利下げで認めざるを得ないのか、そろそろショートからロングポジションに切り替わるのか気になるところです。

ちなみに以下の記事で書きましたが、意外なことにウォーレン・バフェットも過去銀に強気で大量の銀を購入した時期がありました。

 

 

4,シンガポールに超富裕層向けの500トンの金保管施設が開設

金の延べ棒に超富裕層殺到、保管需要拡大で巨大施設が先月オープン

シンガポールのチャンギ国際空港の近くに高さ約32メートルの貴金属保管施設がそびえ立っている。秘密性とプライバシーに対応した施設の巨大さは、金塊所有の突然の人気沸騰ぶりを物語っている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-21/SIJICJT0G1KW00?cmpid%3D=socialflow-twitter-japan

32メートルの保管庫で秘密性が守られているとのことですが、そこに金の保管庫があると認知されているのはどうなんでしょうね?

今はそれほど金の価格が上がってませんが、今後金融危機や金が急上昇した際は”金がそこにある”というだけでなんとなく危険な予感はしてます。簡単に後つけられますし。

超富裕層向けなのでその辺りのセキュリティも考えられているのでしょうか。

5,ヨルダン中央銀行(CBJ)のデータによると、7月に金準備金は4トン以上増加

中央銀行のゴールド買いはまだ止まらないようです。

6,アンディ・シェクトマン氏「ミサイルだけで約14kgの銀が必要なのに、世界銀協会(シルバーインスティテュート)はなぜ銀の年次報告書に軍事需要を含めないのでしょうか?」

ソーラーパネルやEVにも大量の銀が必要とシルバーインスティテュートにおいて、公表されてますが、この中には軍事需要は含まれていないとのこと。

第2次世界大戦の兵器が現在よりも近代化していない時であっても、2億オンスが必要だったのに兵器が近代化している現在でそれよりも軍事需要が少ないということは考えられないとのこと。

ちなみにアンディ・シェクトマン氏はロバート・キヨサキ氏とも親交があり、よくポッドキャストなどで貴金属等について共演しています。

ロバート・キヨサキ「株式、債券、金、銀、BTCの価格の史上最大の暴落が来る。」

7,Eric Yeungさんの今後12ヶ月の金、銀価格予測「ゴールドは2,800ドルから3,000ドルのレンジで修正され、シルバーは40ドルから45ドル」

1) 2024年8月初旬に円キャリートレードの巻き戻しが発生(既に完了)。

2) 2024年9月にFRBが利下げを行い、ゴールドとシルバーは比較的狭い価格帯の中で安定して動く。

3) 2024年10月、ゴールドとシルバーの米ドル価格が急騰する。

4) 2024年11月、米国大統領選挙の時期にゴールドとシルバーが一時的にピーク価格に達する。

ゴールドは2,800ドルから3,000ドルのレンジで修正され、シルバーは40ドルから45ドルのレンジで修正される。

5) 2025年1月、ゴールドとシルバーは強気トレンドを続ける。

6) 2025年第4四半期頃、FRBが利下げサイクルの終了を示唆し始める。

インフレ圧力の高まりによって、ゴールドは約3,700ドル、シルバーは約80ドルでピークに達する。

グローバルな米ドル流動性が反転して縮小し、ゴールド、シルバー、そして米国株式が急落する(景気後退)。

これらの予測は、金融システム内でまだ明らかになっていない何らかの問題やリスクによる「予期せぬ出来事」が起こらないことを前提の話です。

https://x.com/KingKong9888/status/1828360177168589296

香港の実業家Ericさんの予測によると、現在の金価格は矢印のところにいるとのこと。

チャートは2007年リーマンショックが起きる直前ですが、利下げ開始と共に金価格も上昇しています。

当時の米国政策金利を見ると分かりますが、実はリーマンショックが発生する以前2007年9月から利下げし始めています。リーマンショックが発生したのは1年後の2008年9月です。

上の金のチャートを改めてみると、利下げが始まった9月から金の価格も上昇し始めていますね。

もう1つ当時と酷似しているのは、2008年も現在と同じようにアメリカ大統領選挙年という点です。

現在は当時と違い、まだ利下げ始めていませんが次は大統領選前最後のFOMCです。

現在のパウエル議長の発言を見ると急激にハト派的な発言に偏っており、利下げは確実視されています。

あくまでも、米国金融面だけを見た、突発的な金融危機が発生しないことが前提の予想と本人も仰っています。

個人的には突発的な金融イベントは十分に起こり得ると思いますが、果たして利下げ後当時と同じように金価格は上昇するのでしょうか?

7、米国経済学者マーティン・アームストロング氏「金が1オンス2,500ドルに達したのは、インフレの問題ではなく、米国の債務不履行への恐れに関するものである」

「金が1オンス2,500ドルに達するという予測について、アームストロングは、それがインフレの問題ではなく、米国の債務デフォルトの恐れによるものであると述べています。

これが中央銀行が金を購入する理由です。

「もし大規模な戦争が起これば、米国は債務不履行になるでしょう。…私は年末までに第三次世界大戦が始まることを非常に懸念しています。9月までに始まる可能性もあります。」

個人的には金価格が上昇したのは米国債務の増加とインフレの同時進行が原因だと考えてます。

MMTではないですが、MMT論者の主張する「インフレが高くならなければ、債務はいくらでも増やせる」というのは一理あります。

というのも、いくら市中のマネーが増加してもインフレ率が上がらないのであれば、現在の信用ベースの金融システムであれば可能だからです。

しかし、「風船を膨らませ続ければいつかは空を飛べる」と言っているようなものです。風船は膨らませ続ければいつか必ず破裂します。

8、ゼロヘッジ「カマラ・ハリスの経済政策は金価格を1万ドルまで押し上げるだろう」

ゼロヘッジの記事でカマラ・ハリス氏の経済政策はインフレを招き、ゴールドは1万ドルになるだろうと指摘してます。

カマラ氏の経済政策は金価格を1万ドルまで押し上げるだろう
彼女は、「強欲な」食料品チェーンの値上げの禁止を行うとしています。利益率がわずか2~3%食料品チェーンの企業を「強欲だ」と非難しています。どうやらそれが「強欲」らしいです。

他にも、住宅の補助金は価格を高騰させるだけです。新しい住宅購入者に25,000ドルの支援金を与えると、家の価格は25,000ドル上昇するだけです。

トランプ氏の経済政策も関税、法人税の引き下げなどでインフレ的ですがハリス氏の経済政策はそれを遥かに上回るインフレ的な政策であると。

私の過去の記事でも指摘してますが、正直本当にバラ撒きです。

  1. 何百万人ものアメリカ人の医療費負担をなくす
  2. 食料品や食品の価格つり上げの禁止
  3. 処方薬の費用上限設定
  4. 初めて住宅を購入する人に25,000ドルの補助金を支給
  5. 生後1年間、子供1人につき6,000ドルの児童税額控除を提供
  6. 法人税を21%から28%に増税

ハリス副大統領の経済政策でインフレ加速?結局、金価格は爆上げするのか?

では投資家からすれば、インフレ的なカマラ・ハリス氏を応援した方が良いのか?と頭をよぎるかもしれませんが、未実現の含み益に25%課税を掲げてます。

現在は一応1億ドル以上の資産を持っている富裕層限定の経済政策となっていますが、こういった政策が富裕層だけで終わると考えるのが不思議でなりません。

準富裕層、中間層と言った具合に波及していくのは目に見えています。

米国経済のニュース

9,米国のGDP改定したが、6%の財政赤字を加えると、債務の累積を考慮した成長率は1930年代以来最悪。

米国のGDP改定に興奮していますか?

米の実質国内総所得(GDI)は、第2四半期にわずか1.3%増加しました。

実質GDPと実質GDIの平均は、第2四半期に2.1%増加しました。

これに6%の財政赤字を加えると、債務の累積を考慮した成長率は1930年代以来最悪です。

https://Twitter.com/dlacalle_IA/status/1829233229305348283

GDI(Gross Domestic Income)は、国全体で生み出された所得を測定する指標で、GDPとほぼ同義とされていますが、経済全体の所得面に焦点を当てています。

つまり企業の利益、労働者の給与、投資収益などから成り立つものです。

一方でGDPは政府支出が増えることでも数値が上昇します。

つまり、GDPが成長する傍ら、GDIが低い数値ということは政府支出によってGDPの数値は押し上げられているが、実際の市場の数値とかけ離れていると示唆してます。

10,暗号資産の保有者、サイコパス的特質を示す可能性が高い-学術調査

日本でも少し話題になりましたが、ビットコイン等含む、暗号通貨を保有者は社会不適合者であるという、海外の研究が発表されました。

ただこれ日本だと”暗号通貨保有者はサイコパス”程度の報道でしたが、海外ニュースだともっとボロクソ言われてます。

https://Twitter.com/Anthony6355/status/1829690250521907534

    • ナルシシズム (Narcissism):
      自己愛が強く、自己中心的で、他人からの注目や賞賛を常に求める傾向があります。共感に欠け、自分の能力や業績を過大評価することが多いです。
    • マキャベリズム (Machiavellianism):
      他人を操作することや欺くことに抵抗が少なく、目的達成のためなら手段を選ばない冷酷さを持ちます。長期的な戦略を立てることが得意で、道徳観念が柔軟または欠如していることがあります。
    • サイコパシー (Psychopathy):
      衝動的で、良心の remorses や共感が非常に少なく、反社会的な行動を示すことがあります。リスクを恐れず、しばしば魅力的な表面上の人格を持ちながら、裏では非常に冷淡で無責任です
    • サディズム (Sadism):
      他人の苦痛や屈辱から喜びや満足を得る傾向があります。日常生活の中で、意図的に他人を傷つける行動を楽しむことが特徴です。

    どこからともなく研究者()が社会不適合者などレッテルを貼るというのは、以前どこかで見たような流れです。

    今後、金や銀、暗号通貨保有者は低学歴!低収入!というような謎の研究結果が出てきてもおかしくなさそうです。

    11,米国の住宅価格は6月に前年比5.4%上昇し、過去最高値を更新

    米国の住宅価格は6月に前年比5.4%上昇し、過去最高値を更新した。

    一戸建て住宅の購入価格を追跡するケース・シラー住宅価格指数は、過去4年間で51%上昇した。

    これは、2002年から2006年にかけて住宅価格が49%上昇した2000年代の住宅バブル時よりもさらに大きな上昇である。

    20大都市を追跡する指数も6月に前年比6.5%上昇し、新記録に達した。

    インフレ調整後、住宅価格は過去 130 年間の平均よりも約 100% 高くなります。

    インフレは収まりつつあるとしてますが、住宅価格は最高値。余裕のある層と生活が苦しい層で2極化しているように思えます。

    12,FRBの損失は1,900億ドルを突破

    ルルレモンの株価は今日のひどい決算を受けて急落した。冗談です。FRBの損失は以下の通り。1900億ドル以上…

    13,トランプ大統領、米国を「地球の暗号通貨の首都」にする計画を発表すると発言

    前後の文脈は見てませんが暗号通貨に強気なのは確かなようです。

    https://x.com/TheInsiderPaper/status/1829196514612429276

    トランプ氏が大統領時にFRB理事に指名した、金本位制に肯定的なシェルトン氏が以下のように述べてました。

    トランプ氏が大統領時、Fed理事に指名 シェルトン氏
    「金に裏付けられた通貨のアイデアが好きです。それは暗号通貨のような形でも実現できるかもしれません。」

    少し前に米国上院議員シンシア・ルミス氏が、ビットコイン戦略的準備金を設立するという「BITCOIN法案2024」を提出したのが話題になりました。

    詳細は以下の記事に書いてますが、FRBのバランスシート上の金の価格を再評価することでビットコインを購入するという計画です。

    米国上院議員,FRBの金を再評価&100万ビットコイン購入する法案を提出した意図は?

     

    米国政府債務が35兆ドルを超え、数学的に返済不可能なのはトランプ氏らも当然気づいているはずです。

    一応、表面的には米国の原油産出量を増加させ、インフレを抑えると経済政策を発表していますが、正直これだけでインフレが収まるとは思えません。

    水面下で何かしらの策があるのではないかと推測でしてます。現時点ではまるで陰謀論のような話ですが、金融政策の急激な変更というのは直前まで発表できないことがほとんどです。

    1971年8月15日にニクソン大統領が突然金本位制を止めると宣言しましたが、その直前に「世界で金本位制が終わる」と言っても陰謀論扱いされ鼻で笑われていたでしょう。

    おまけ レイ・ダリオ『金を持たないということは、歴史も世界経済も知らないということです』

    【2024年版】銀が600ドル(20倍~)を超える?価格上昇する8つの根拠とは?

    【6月最終週ニュース】日本円が161円突破。トルコリラやアルゼンチンペソより下落等 14のニュース

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