目次
1,金が1オンスあたり2,480ドルの過去最高値を記録
BREAKING: Gold hits record high of $2,480 per ounce
— The Spectator Index (@spectatorindex) July 17, 2024
早期の利下げ期待によって、ゴールドの価格は急騰。最高値更新後も金価格は上昇し続け、2,480ドルを超えてます。その後一旦調整入ったようですが、執筆時だと再度上昇し2,475ドル前後。
ゴールドマン、7月米利下げに「確かな論拠」-チーフエコノミストら
ゴールドマン・サックスのエコノミストらは、米金融当局が早ければ7月30、31日に開催する次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを実施する「確かな論拠がある」との見方を示した。
9月の利下げがメインシナリオとしながらも、早ければ7月にも利下げを開始するというような予想を打ち立ててます。
失業率が4.1%を超えていたりと、労働面が悪化しているのもそうですが、記事内では書かれていませんが米国債務の利払い費も利下げを急ぐ理由の1つなのかと思います。
以前からお伝えしているように米国債務は35兆ドル弱で利払い費だけで1兆ドルを超えてます。
バンク・オブ・アメリカの試算によると年内に利下げした場合ですら、利払いだけで1.2兆ドルを超えます。
イマイチピンとこないかもしれませんが、これは米国国防費を超える額です。利払い”だけ”です。
正直いまから利下げしたところで、米国債務がどうにかなる気はしないのですが、インフレ率を多少無視してでも、利下げする理由はあるということです。
話はゴールドに戻ります。
最近は為替介入がありやや円高になっていますが、円建て金価格も史上最高値を更新。
金の国内小売価格、1gあたり1万3879円 史上最高値を更新
https://news.yahoo.co.jp/articles/0013e01937858c7c9479e4fa05fbf2185441fa87
ゴールドが上がればシルバーも後追いするパターンが多いですが、シルバーは今のところ、動きが鈍いですね。
上がってはいますが、ゴールドが史上最高値を更新し続けているのに反して、シルバーは31ドルをうろうろ。
シルバーの場合、インフレヘッジの投資目的以外工業用途が大半を占めるのですが、4年連続で供給不足。
→【2024年版】銀が600ドル(20倍~)を超える?価格上昇する8つの材料とは?
価値保存の手段+工業用途もあるので、ある意味金よりも貴重なのですが、動きが鈍いのは市場が銀の価値を認識していないか、ショートポジションで価格が抑制されているのか。
ただ、テクニカルな視点でみると銀はいつ急騰してもおかしくないという意見もあります。(あくまでも判断材料の1つですが)
シルバーの未来は明らかです。
価格はすべての主要な抵抗レベルの上に位置し、今まさに引火を待っています。(価格が上昇する準備が整っている)
いつその瞬間が訪れるかは予測できないので、この上昇するタイミングを狙おうとしないでください。買って待ちましょう。
2,中国の金価格はプレミアム継続
西側価格よりも中国価格が高い状態が続いてますが、西側価格が上がると中国価格も同時に上がっている模様。
Gold price in China $2,540
— Nostra, House of Gold (@Nostre_damus) July 17, 2024
Silver price $35.75
中国人民銀行は5,6月の金購入停止しているにも関わらず、強い需要があるようです。
週末、中国深センでは食料品を買うようにゴールドを買っている。
https://Twitter.com/DavidLe76335983/status/1812426343776158011
このような強い需要がある背景には西側諸国がインフレで苦しむ中、中国経済も先行き不透明感があるからだと思われます。
住宅価格は現時点で史上最大の下落。人生で最も大きい金額の買い物ですので、住宅価格が下落=住宅の需要が激減=景気悪化しているともとれます。
中国の既存住宅価格は先月、前年比7.9%下落し、史上最大の低下となった。
https://x.com/Barchart/status/1812767061501714537
中国国家統計局が15日発表した第2・四半期(4─6月)国内総生産(GDP)は前年同期比4.7%増。政府目標の5%前後を下回った
西側メディアは必要以上に中国叩きすることが多いので、情報に注意は必要ですが中国当局が発信している数値で下落しているので、デフレ的ではあるのでしょう。
3,BullionStar北米マーケティングディレクター ジェシー・コロンボ氏「金は強気相場の次の段階が始まった」
「今日はゴールドにとって大きな日です。なぜなら、私が長い間示してきた重要な 2,400 ドルから 2,450 ドルの抵抗ゾーンを金が上回ったからです。
これは、強気相場の次の段階が始まったことを意味します。金はここから少なくとも数百ポイント上昇するはずです。」
Today is a big day because gold broke above the important $2,400 to $2,450 resistance zone that I've been showing for a long time.
— Jesse Colombo (@TheBubbleBubble) July 17, 2024
That means that the next leg of the bull market has begun. Gold should rise at least several hundred points from here.$GLD $XAUUSD pic.twitter.com/zM3fSRdnjg
コロンボさんのテクニカル的視点から見たゴールドの予想。
多くの人が「価格上昇する!」「逆に暴落する!」など極端な意見が多いのですが、コロンボさんは上がりそうな時は上がりそう、下がりそうなときは下がると中立的な視点(ぽい)のでちょいちょい参考にさせていただいてます。
4,トランプ経済政策を発表。インフレ的な政策。
トランプ氏が経済政策に関していろいろ話していたので、金、銀に関連しそうな経済政策面だけまとめるとこのような感じ。
・15%法人所得税を減税
・厳格な移民制限を推進し、国内賃金と雇用の向上を目指す
・中国に対して新たに60%から100%の関税を課す。
・財務長官にJPモルガンCEOジェイミー・ダイモン氏起用検討
・石油とガスの国内生産を増やすことでインフレを抑える計画
・FRBに大統領選前の利下げを行わないよう求めた
・パウエル議長は任期まで務めてもらう「彼が正しいことをしていると思った場合には」
・米国内での仮想通貨の発展を推進し、他国が主導権を握らないようにする
・トランプし指名の副大統領候補JDバンス氏はドル切り下げ宣言?
以前から言っていたように、関税、減税でインフレ的な経済政策ではあります。
FRBに大統領選前の利下げを行わないよう求めた
トランプ氏は、多くの国の歴史をみても、インフレは最終的に国を滅ぼすとしたうえで、大統領選挙前の利下げについて「そうすべきではないと分かっていながら、FRBは実行するかもしれない」と述べて、大統領選挙の前に利下げをするべきではないとけん制しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240717/k10014513941000.html
表面的な面だけみると大統領選前に利下げすることで、利下げ→景気刺激→バイデンに有利になるから反対している。
という見方もありますが、利下げしたからと言って、即座に景気に反映されるわけではありません。
利上げ後にインフレ率が低下するまでタイムラグがあるように、利下げに関しても数ヶ月から半年~はタイムラグがあります。
しかし、次のFOMCは7月30日で選挙は11月5日。今利下げをしたところで、選挙前に実感できるほど好景気になるかは疑問です。
どんな意図で利下げをけん制したのか?定かではないですが、インフレ再燃を懸念しているのでしょうか?
というのも、財務長官候補としてJPモルガンCEOジェイミー・ダイモン氏を検討しているからです。
トランプ氏財務長官にJPモルガンCEOジェイミー・ダイモン氏検討?
財務長官の候補としてJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOを検討しているか問われると、トランプ氏は「ダイモンCEOをとても尊敬している」として、財務長官の候補の一人だという考えを明らかにしました。
トランプ氏がインフレ再燃懸念で利下げを牽制しているとすれば、財務長官にダイモン氏を検討している点で話はつながってきます。
というのも、ダイモン氏はインフレ+景気後退のスタグフレーションの警鐘を鳴らし続けています。
インフレに関しては「人々が考えているよりも根強い」とし、更なるインフレに対して世の中は備えができていないと警鐘を鳴らしました。
物価をしつこく上昇させる可能性のある「持続的なインフレ圧力」がいくつかあるとダイモンは説明した。
景気後退について警鐘を鳴らしつつも、インフレに対しても懸念を評してます。
トランプ氏は「多くの国の歴史をみても、インフレは最終的に国を滅ぼす」と発言しているので、インフレを懸念している点で共通してます。
FRBの利下げによってインフレ再燃を懸念しているのでしょうか?
話は変わりますが、トランプ氏は以前はビットコインは詐欺的だと反対的な意見でしたが、ここ最近はかなり肯定的な意見を表明しています。
「米国内での仮想通貨の発展を推進し、他国が主導権を握らないようにする」
一方でダイモン氏はビットコイン反対派です。
JPモルガンのCEOは#Bitcoinを「クソ」と呼び、二度とそれについて話さないと述べた。
https://x.com/BitcoinMagazine/status/1747612311517356499
この辺りは意見の相違がありそうですが、ダイモン氏がビットコイン推奨に折れるのでしょうか?
ただ、ちょっと不思議なのは強いドルを望みながら、ビットコインを推している点なんですよね。
相対的にビットコインが強い=法定通貨のドルは弱くなると思うのですが(以前トランプ氏自身もそう言っていた)この辺りはちょっと謎。
トランプ氏指名の副大統領候補JDバンス氏はドル切り下げ宣言?
バンス氏、輸出促進のために米ドルの切り下げに前向きであると春に私に語った。
ライトハイザー氏と同盟者たちは、財務省や他の主要な経済ポストに昇格した場合、米ドルの切り下げを検討中。
NEW: Vance open to devaluing US dollar to boost exports, he told me this spring.
— Gavin Bade (@GavinBade) July 15, 2024
Lighthizer and allies mulling dollar devaluation if he’s elevated to Treasury or other leading econ post pic.twitter.com/whcaDK1g6X
「選挙前に利下げはするな」とけん制しつつも、トランプ氏指名のJDバンス氏はドル安誘導で、輸出強化が経済方針なようです。
となると円高基調になると思われますが、そうなると心配なのが日本経済。
先日公開された神田財務官が座長を務めた「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」懇談会。
→https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/20240702.pdf
内容を見ると2023年の経常収支黒字は過去最大だが、黒字は第一次所得収支のみです。電気製品などメイド・イン・ジャパンが強かったのはもはや過去の話で、輸出黒字のは自動車のみ。
第一に、自動車に匹敵する黒字の担い手の不在である。貿易収支を主要品目別に見ると、自動車等の輸送用機器が一貫して大幅な黒字を計上し、これに続き半導体製造装置等の一般機械が安定的に黒字を計上している。他方、かつては自動車と並ぶ黒字の稼ぎ頭であった電気機器(家電、スマホ等)は、2022 年度に初の輸入超過を記録した
第一次所得収支に関しても「6割超えは為替変動が要因」とあります。
ドル建てのグラフも2020年から上昇基調にありますが、2023年は下落してきています。これが円高方向に触れたら、経常収支黒字は縮小するのでは?と見ています。
とはいえ円安が進めば物価高になるので、どちらに転んでも難しい局面は続きそうです。
→ロバート・キヨサキ「株式、債券、金、銀、BTCの価格の史上最大の暴落が来る。」
→トランプ氏は金本位制支持者?歴代大統領が暗殺される共通点とは?
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