UBSは金価格目標を2,750ドルから2,900ドルに引き上げ!この予測は妥当なのか?

UBSが2700ドルから2900ドルに金価格上昇予測を引き上げました。

https://x.com/GoldSeabridge/status/1840188012656775392

UBSはスイスに本拠を置く世界的な金融機関で、特に富裕層向けの資産管理、投資銀行業務、証券取引、企業向けの金融サービスを提供しています。

色々書かれていますが、抜粋すると

UBS金価格予測

1. 金価格の予測を、2024年末に2,750ドル、2025年中頃に2,850ドル、2025年第3四半期末に2,900ドルに引き上げた。

2. 今年の金価格は29%上昇しており、FRBの最初の利下げ後6カ月でさらに10%上昇する可能性がある。

3. 投資需要の増加、米国実質金利の低下、宝飾品需要の回復、中央銀行の買い支えが価格上昇の要因とされている。

4. スイスの金輸出データは中国の需要減少を示すが、これは輸入枠の枯渇によるもので、基礎的な需要の弱まりではないと見ている。

5. 金は長期的なポートフォリオヘッジとして有効であり、米ドル建てポートフォリオに5%の金を組み入れることを推奨している。

約1年後には2,900ドルまで上昇するという予測のようです。個人的にはかなり控えめな予測に感じます。

既に利下げが始まり、利下げ前価格→最高値でいえば3%~は上昇してます。

2024年9月18日の50bps利下げ後の金銀、株価

ゴールド 2573ドル→2668ドル(+3.69%)

シルバー 30.45ドル→32.231ドル(+5.85%)

S&P   5653.9ドル→5740ドル(+1.52%)

また、今後の利下げは現時点でほぼ100%になっており、利下げペースが25bpsか50bpsかで割れているだけです。現時点では50bps利下げ予想は69%とかなり高い数値です。

https://Twitter.com/Barchart/status/1835907811290542109

また、現在は米国だけでなく中国ですら遂に大規模緩和を開始し、スイス等でも利下げトレンドに入ってます。

そう考えると、1年で10%上昇の予測はかなり控えめに感じます。

1,UBSは2023年予測は「2024年3月末までに2200ドル」だった

ちなみにUBSは2023年時点では、「2024年3月末までに2200ドルに到達する」という予測を立てていました。

【2024年版】金価格はどうなる?世界の10大銀行の予想を比較

それが2024年になり、金価格が上昇すると「年末の目標価格は2,600ドル」→「年末の目標価格は2,700ドル」と少しずつ引き上げています。

2,50bps利下げ開始後は金は上昇率は高い

今年、金は29%上昇し、連続的に新記録を更新しています。また、金は我々が長らく設定していた年末目標の2,600ドルを前倒しで突破しました。

世界金協会によれば、金は歴史的に、FRBの最初の利下げ後6カ月で最大10%上昇しています。

利下げ後に金価格が上昇傾向にありますが、特に50bps利下げ開始後は大きく金、銀価格は上昇してます。

なぜ過去の50bps利下げで金銀価格は暴騰したのか?ドットコムバブル,リーマンショック時と現在の相場を比較。

利下げ開始時に50bps利下げしたのは過去に2回、ドットコムバブル崩壊前と、リーマンショック前のみ。

いずれの利下げ後も、金価格は上昇してます。

例としてリーマンショック発生前に50bps利下げした時の、金銀価格の上昇率は以下のようになっています。

リーマンショック前の50bps利下げ後の金銀、株価

ゴールド 725ドル→1001ドル(+38%)

シルバー 13.48ドル→20.65ドル(+53.2%)

S&P   1485ドル→1562ドル(+5.2%)2007年10月最高値

2007年9月→2008年3月

以下はリーマンショック発生前50bps利下げ後のチャート。クロスしている所あたりが利下げ直前の金価格です。

利下げ前から少しずつ、”利下げ期待”で上昇していき、利下げ発表後に暴騰しています。

2008年に最高値にタッチしていますが、そこまで38%もの驚異的な上昇です。

続いて、シルバーのチャート。13.48ドルから20.65ドルに上昇してます。

53.2% 上昇もの驚異的な上昇率です。

なぜ過去の50bps利下げで金銀価格は暴騰したのか?ドットコムバブル,リーマンショック時と現在の相場を比較。

UBSの報告によると6ヶ月で10%ですが、このリーマンショック前の事例では金が38%、銀は53.2%です。

しかし、利下げ後に資産価格が上昇するのは株価でも同じでは?と感じるかもしれませんが、当時のS&P500を見ると、金銀と動きは違います。

以下の記事で解説していますが、

マイケル・オリバー氏「次の5週間で金は~3200ドル,銀は55ドルに上昇の可能性」は達成可能?リーマンショック時と比較した結果。

おそらく当時は景気後退懸念がありつつも、利下げによりインフレ懸念も同時に発生した結果、株価は速い段階で反落したのかと思われます。

一方でドットコムバブル前の50bps利下げ時は、金価格は上昇したものの、銀価格の動きは鈍かった点は留意したいです。

なぜ過去の50bps利下げで金銀価格は暴騰したのか?ドットコムバブル,リーマンショック時と現在の相場を比較。

当然、当時とは経済、金融、世界情勢など相違点は多くあります。

しかし、その全てどの点を見ても当時よりも金価格が上昇する材料は多いように感じます。

3,UBS「ポートフォリオの5%に金を組み入れることを推奨」

我々はバランスの取れた米ドル建てポートフォリオに金を約5%組み入れることを推奨し、グローバル資産配分において最も推奨される資産として金を位置づけています。

UBSは結論として、ポートフォリオの5%にゴールドを組み入れる事を推奨しています。

UBSの予想通り1年で10%上昇するのであれば、かなりパフォーマンスが良いと思います。リスクオフ資産で、これだけ上昇するのであれば尚更です。

金以外の資産はもっと上昇率が高いと見込んでいるのでしょうか?

個人的には景気後退がどの時点で来るのか?によりますが、もし景気後退を考慮しないのであれば、10%と上昇率も5%のポートフォリオもかなり控えめな予想に感じました。

なぜ過去の50bps利下げで金銀価格は暴騰したのか?ドットコムバブル,リーマンショック時と現在の相場を比較。

デビッド・ハンター「2025年半ばに株式は80%下落し、20兆ドル規模の紙幣印刷でインフレ率は25%を超えるだろう」

マイケル・オリバー氏「次の5週間で金は~3200ドル,銀は55ドルに上昇の可能性」は達成可能?リーマンショック時と比較した結果。

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