【2024年】米大統領選で金,銀価格はどうなる?どちらでも上昇する可能性が高い理由とは?

ついに大統領線が迫っており海外の貴金属投資からでもどちらが勝つとどのような 影響が出るのかに関して知りたがっています

結論から言ってしまえば、短期的な動きは正直言ってわかりません

ただどちらの大統領になったとしても中長期的には金銀ともに上昇していくだろうというのが、私も含め海外貴金属投資家でも同じ意見です。

1,現在の大統領選どちらが勝利に近い?

執筆時点ですが大統領選勝利予想の賭けサイトを見ると、トランプ氏が優勢になっています。

どちらが大統領選に勝利するか?賭けるサイトですが、一度はハリス氏が急激追い上げたものの、現在はまたトランプ氏が優勢に戻っています。

また、「この州を取れば大統領選は勝利が確定する」と言われるほど重要なのがペンシルベニア州です。

非常に重要な「スウィング・ステート」(Swing State)の1つですが、トランプ氏が優勢になっています。

Atlas Intelという主に政治調査で評価の高い世論調査分析会社によると、他の激戦州においても、トランプ氏が優勢が多いという調査データが出ています。

https://x.com/DMichaelTripi/status/1853623338003845282

この調査会社は2020年の米国大統領選挙では、バイデン候補がトランプ候補を国民投票でリードする差を、誤差2.01ポイントという高精度で予測し、他の調査会社を上回る結果を出しました。

また、ミシガン州やノースカロライナ州などの重要なスイングステートでも正確な予測を行い、注目を集めた会社でもあります。

一方で、CNNではハリス氏がやや優勢というデータが出ているようです。

投票する可能性の高い全米有権者の間での民主党候補ハリス副大統領の支持率は51%と、共和党候補トランプ前大統領の47%をわずかに上回った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/86c4070590e0fdc13ba530fc413f746ca6628387

まだどのような結果になるか分かりませんが、トランプ氏が勝利がやや優勢のように感じます。

2,トランプ氏、ハリス氏どちらでも金、銀価格は上昇する理由とは?

短期的な値動きは予想できませんが、長期的にはどちらの大統領でも金や銀は上昇するというのが私の予測です。

まだ、海外の貴金属投資家らも短期的には上下する可能性はあるとしながらも、ほぼ同様の意見です。

ではなぜ、金銀は上昇するといえるのか?ですが、やはり米国の財政赤字、債務増加です。

以下の記事で詳しく解説してますので、割愛しますが米国は凄まじいペースで債務額の増加しています。

ゴールドが最高値を更新し続ける”本当の理由”とは?今後も上昇する可能性は高いのか?

上記の記事を書いた時は35兆ドルと書いていますが、まだ増加し続けており遂には36兆ドルに到達する勢いです。

https://x.com/RealEJAntoni/status/1852915375895183608

1か月だけで4,870億ドル増加しましています。4870億ドルを1ドル=150円で換算すると、約73兆5000億円になります。

日本の令和5年度の税収は史上最高と言われていますが、約72兆761億円です。

日本全国民が血と涙を流して収めた1年分の税収分を、たった一月で増やしていると考えれば凄まじいことが分かります。

また、債務増加=マネー増刷がインフレを引き起こしたわけですが、その高インフレが続いていたのを抑える為にFRBは5.5%まで金利を引き上げています。

金利を引き上げるということは債務の利払い費も増加するので、更に債務は増加していきます。

世界の中央銀行では、かつてないペースで金を購入してますが、このように米国の財政状況の悪化を懸念しているからです。

しかし、トランプ氏、ハリス氏どちらも経済政策は更に債務を増加させるものであり、今後も債務とインフレは増加していくと予想されます。

3、トランプ氏、ハリス氏の経済政策はどちらも金銀上昇すると言われる理由は?

どちらの政策もインフレ的なのですが、より酷いのがハリス氏の政策です。

ハリス氏の経済政策
  1. 何百万人ものアメリカ人の医療費負担をなくす
  2. 食料品や食品の価格つり上げの禁止
  3. 処方薬の費用上限設定
  4. 初めて住宅を購入する人に25,000ドルの補助金を支給
  5. 生後1年間、子供1人につき6,000ドルの児童税額控除を提供
  6. 法人税を21%から28%に増税
  7. 1億ドル以上の富裕層に対して、含み益(未売却の資産の値上がり益)に対しても25%のキャピタルゲイン税

典型的なTHE・バラマキ政策であり、ただただ人気取りにしか見えません。

バラマキも酷いですが、特に”ありえない”レベルなのが、食料品や食品の価格つり上げの禁止。

つまり、価格統制です。インフレによって生産コストが上がっているにも関わらず、食料品の値上げを政府が禁止するというものです。

一見すると一般人からすれば食料品が安くなり、生活が楽になるように感じますが、食料品店からすれば採算が取れなくなるため商品を出し渋りします。

食料品店は強欲なわけではなく、仕入れコストが上昇しているにも関わらず、その分価格に転嫁できないのであれば店を畳むしかありません。

これと同じ事をやった事例の1つがハイパーインフレが発生したベネズエラ、ジンバブエです。

ハイパーインフレの人類学によれば、ジンバブエ政府はハイパーインフレが起きる直前インフレ抑制策として、「厳格な価格統制」を実施しています。

そして、値上げや商品を出し渋る経営者を逮捕して回ったという、まさに共産主義のようなやり方で価格を統制しようとしました。

結果的に、確かに一時的に価格は安くなったものの、安くなった食料品に客が殺到し商品が店頭から消え、結局はインフレが再加速しています。

過去ハイパーインフレが発生した国で必ずと言っていいほど悪政です。

一方でトランプ氏に関してもハリス氏よりはかなり現実的ですが、関税強化はインフレ的な施策ですし、所得税を無くす?というような大胆な政策を掲げていますが、財政赤字が減るようには思えません。

トランプ経済政策
  1. 15%法人所得税を減税
  2. 金利を引き下げる
  3. 厳格な移民制限を推進し、国内賃金と雇用の向上を目指す
  4. 中国、EUに対して新たに60%から100%の関税を課す
  5. メキシコや中国での自動車工場の建設を認めず、アメリカ国内での生産を推奨
  6. 原油生産を増やしエネルギー価格を下げることでインフレを抑える
  7. 所得税を無くす?(大幅減税?)
  8. イーロン・マスクは政府効率省に任命し、2兆ドル支出削減

やはり一番気になるのが中国やEUに関税を高い関税をかけるという点です。

トランプ氏は製造業を取り戻し、中間層を復活させ経済格差を無くすというような政策を掲げています。

長期的に見れば、自国強化で素晴らしい政策ですが、短期的には高い関税はインフレ的です。

中国などから安く商品を購入することで、人々は生活コストを抑えているので、ここに関税がかかると生活コストは上昇することが予想されます。

ただ、一方で米国は原油生産量世界一であり、エネルギー価格を抑えることで、インフレを抑えるとも言ってます。

また、イーロン・マスク氏を政府効率省のような政府の無駄を削減する、要人に任命するとも言っています。

イーロン・マスク氏は最低でも2兆ドルは政府の無駄を削減できるとしていますが、今まで政府の支出に依存していたのを突然ストップした場合、少なからず経済にも衝撃があるのでは?と予想してます。

また、支出削減と大幅な減税を掲げることで、市場から「米国財政は持続不可能」と解釈されれば、更に米国債売却に繋がる気もします。

かなり難しいと思われますがトランプ氏側の政府支出を削減、インフレを抑制するという経済政策を掲げている分、ハリス氏のただ単にばら撒くだけの政策よりは遥かに良いと思います。

イーロン・マスク「米国は破産しつつある」ドルの価値は過去4年間で25%の価値が減少しているのは本当か?

4,過去20年どちらの政権でも金価格には影響しなかった(短期的な予測)

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)という世界の金のデータを調査している団体によると、過去1972年から2022年の間で「金は党派やリーダーシップの変更に直接的な反応を示さない」という結果が示されています。

金価格が政治的変化に影響されるのではなく、むしろ経済的な不確実性やインフレ、地政学的リスクなど、より根本的な経済・金融要因に敏感に反応するとしています。

また貴金属アナリストである、ジェシーコロンボ氏によると、現在の米国は債務利払いだけで防衛費、医療費などを上回っており、

https://thebubblebubble.substack.com/p/heres-what-the-us-presidential-election

マネーサプライの増加(紙幣の増加)はどちらの政党でも増加しているというデータを示しています。

トランプ政権時でも、債務やマネーは増加しています。

パンデミックがあったので、最後の年は仕方無い面もありますが、それ以前から債務は増加し続けていました。

一度債務が増加すれば、それに依存せざるを得ないので、経済を支える為に債務を増加し続けるしかないのです。

そして、マネーが増加するということは相対的に、金価格が上昇することを意味します。このチャートは青がM2マネー(経済に流通しているお金の総量)で、黄色が金の価格です。

https://x.com/TheBubbleBubble/status/1853257197985144929

どちらの政党になろうとも、結局はその時々の経済情勢がより重要だということです。

5,トランプ氏には秘策がある?

通常であればもはや詰んでいる米国財政状況ですが、何か秘策があるような気がしないでもないです。

というのも先日、イーロン・マスク氏はロン・ポール議員に政府効率化省の一員になるような、におわせ発言がありました。

https://x.com/LeadingReport/status/1852488406992855393

ロン・ポール氏といえば常々、FRBの金融政策がインフレを引き起こし、経済の不安定性をもたらすと主張し

FRB(中央銀行)を批判、金本位制支持、オーストリア学派の元議員です。

https://x.com/elonmusk/status/1851097005499826363

またイーロン・マスク氏は何か意味深な画像をXに投稿しています。

3.には「均衡予算と素晴らしい経済」と書かれていますが、金貨の画像も見えますね。

https://x.com/elonmusk/status/1853555238726475839

そして、ほぼ同じタイミングでジュディ・シェルトン氏が「金に裏付けられた国債」のアイデアについてインタビューで語りました。

https://x.com/GoldTelegraph_/status/1853109702248280206

トランプが元大統領の時にトランプ氏にFRB理事に指名された方です。

米国上院議員,FRBの金を再評価&100万ビットコイン購入する法案を提出した意図は?

まだ、詳細は見てませんが延々と価値が減り続けるドルで裏付けられた、国債はまったく欲しくないですが、もし金が裏付けられている&それに金利がつくのであれば需要はありそうです。

メディアでは「シェルトン氏は金本位制支持の物議を醸す人物」と叩かれているのですが、逆にメディアが叩いているということは、色々と都合が悪いのでしょう。

前のめりになりすぎるのは良くないですが、頭の片隅に情報として入れておくのは良いかもしれませんね。

ただ、この地獄のような財政状況、今にも景気後退に陥りそうな経済でもあえて大統領に立候補するのは相当の自信か何か策があるようには感じます。

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