【7月第3週】金2,420ドル、銀29ドルまで大幅下落。中国の金需要が低迷?その理由はコレか?

1,ゴールド、シルバーに関するニュース等

1,金2,420ドル、銀29ドルまで大幅下落

まずは金銀のチャートから、金は2,470ドル→2,400ドル前後まで約70ドル~の下落。

銀に関しても18日には31ドルだったのが、現在は29.3ドルまで下落。銀は6月中旬以来最大の暴落。

7月初週は2,300ドル台だったのが急上昇し→下落で、現在2,400ドルを持ちこたえている状況です。

今後更に大きく下落するか?まだ分かりませんが、しばらく前からショートポジションも大きくなっているので、警戒はしてたほうが良さそうです。

スワップディーラーの金のポジションは、27か月ぶりの高水準である-228,238ロット(約540億ドル)付近で推移しており、今週のネットショートエクスポージャーは8,200ロット増加しました(約19億ドル)

スワップディーラーが金市場において大量のショートポジションを保有していることを示しており、最近そのエクスポージャーがさらに増加したことを意味します。

大手投資家達は今後貴金属が下落する要因を知っているのでしょうか?

テクニカルな分析を発信されているColombo氏によると、取引終了時に2,400ドルを維持できるかどうか?が一つの節目になるとのこと。

今週初めに2,400ドルから2,450ドルの抵抗ゾーンを突破した後、金は他の市場とともに売りが出て修正が入っています。

私は今日の取引終了時までにスポット価格が2,400ドルを維持できるかどうかを見たいと思っています。

もし維持できない場合、金が4月から続いている取引レンジに戻るので、2,280ドルのサポートを再び注視する必要があります。

一応、2,400ドルは維持出来ていますが果たしてどうなるやら。

2,上海金取引所(SGE)での金のプレミアムは縮小し、中国の金需要が依然として低迷?その理由は?

しばらく、西側価格よりも中国市場の方が金の価格が状態が続いてましたが、中国と西側価格の金価格差は縮小。

金価格はロンドン金属取引所(LBMA)に比べてわずかに高い程度(1オンスあたり5.63ドル、+0.23%)で取引されているということです。

https://Twitter.com/InProved_Metals/status/1814156203905491399

価格が縮小している点から考慮すると、中国での金の需要が低迷しているともみてとれます。

需要が減少している原因は分かりませんが、中国経済の減速懸念から金に対する投資意欲が鈍化している可能性は考えられます。

少し前ですが複数の銀行破綻や、GDP成長率が予想を下回ったという報道もあります。

中国の4~6月GDP、予想下回る4.7%増-5四半期ぶり低成長

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-15/SGN7B2T0AFB400

中国住宅価格も過去最低レベルで下落。欧米諸国がインフレで苦しんでいるのとは逆に中国はデフレで経済が停滞している状態です。

プレミアムが縮小した原因としてもう一点は考えられるのが、急激に価格が上昇している点。西側価格ゴールドは今年3月に急上昇しています。

こちらは中国プレミアムのグラフですが、3月辺り急激にプレミアムが低下しています。

https://x.com/InProved_Metals/status/1813449198744043542

金のプレミアムが急激に低下しているのがみてとれます。

一方、銀の方は17日の時点で13.6% 以上の中国の方が価格が高い状態です。

金取引所(SGE)のプレミアムは堅調に推移し、昨日は#LBMAより13.6%高い4.2ドル/オンスで5週間ぶりの高値となった。

https://Twitter.com/InProved_Metals/status/1813793721923895469

上のプレミアムを見ると銀に関しても3月はプレミアムが急激に縮小しています。そして、銀に関しても3月あたりから大幅に価格が上昇しています。

7月の上昇に関しては金は大きく上昇していましたが、銀に関しては上昇の動きはかなり鈍かったです。

銀はそこまで上昇していません。

あくまで要因の1つだと思いますが、金の上昇が急激であった点も中国価格が上がらなかった要因ではあるかと思われます。

3月の急激にプレミアムが縮小した際は、その後に上昇しているので少し様子を見たほうが良さそうです。

3,株式市場も大きく下落

貴金属だけでなく、株式市場も大きく下落。日経やS&P指数どちらも下落してます。

NVIDIAは水曜日に6.6%急落し、6月20日の史上最高値から16%下落した。

PHLX半導体セクター指数(SOX)は、2020年3月のCOVID暴落以来最悪の日を迎えた。

ナスダックは2022年12月以来最大の1日下落を記録

https://Twitter.com/GlobalMktObserv/status/1813906567130988946

これは本当に信じられない事態です:

「マグニフィセント7」株が、過去5日間で市場資本化を1.1兆ドルも失いました。

これは彼らの歴史の中で、3番目に大きな5日間の下落です。

META -13.6%
NVIDIA -12.5%
Amazon -5.9%
Tesla -5.6%
Google -5.3%
Microsoft -4.9%
Apple -1.8%

しばらく前から、景気後退前のシグナルはいくつかありましたが、遂にリセッションが近づいているのでしょうか?単なる調整で終わるでしょうか?

Game of Tradesの分析によると、失業率が4.1%に増加していたり、余剰貯蓄が激減、クレジットカード延滞率が増加していたりシグナルはあるものの、すぐに景気後退がくるとは見ていないようです。

現在の失業率: 米国の失業率は現在4.1%で、市場はそれをあまり気にしていません。

申請件数が26万件を超えるまでは大きな心配をしていません。現時点ではこの基準に達していないため、急な景気後退は予想していないません。

S&P 500は4月以降13%、10月以降では35%も上昇しており、市場は依然として強気です。

過去30年間で、多くの短期的な市場修正は景気後退の外で起こりました、一部は2〜3%の引き戻しに過ぎず、一部は10〜15%の大きな修正でした

市場が下落するたびに、当時のFRB議長アラン・グリーンスパンが金利の引き下げを示唆し、その結果として市場が再び上昇(ラリー)したということです。

ただ、気になるのはしばらく前からNVIDIAやAmazonなどのCEO等が自社株を大量に売却している点です。

Nvidia 第2位の株主であり取締役であるマーク・スティーブンス氏は、1億400万ドル相当の $NVDA 株を売却した。

https://Twitter.com/Barchart/status/1811564654734475458

先日はCEOのジェンセン氏が同社の株を売却している事が報じられてましたが、今度は第2位の株主まで売却しています。

また、AmazonCEOのジェフ・ベゾス氏も株を売却していると報じられてました。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-04/SG2KYPT0G1KW00

4,トランプ派が金本位制復活論を主張する理由とは?

金本位制、高値の裏でうごめく復活論 トランプ派が主張

通貨の発行量を膨張させる米連邦準備理事会(FRB)に圧力をかける。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21E020R20C24A6000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1721237791

FRBが無尽蔵に通貨を発行することでインフレが発生しますが、秩序無き通貨を発行を止める為、トランプ派の一部で金本位制の復活が期待されているとか。

金本位制が復活が予想されている背景としては、トランプ氏はもともと金本位制に肯定的な点が上げられます。

トランプ氏が2016年に大統領になる前のインタビューですが、このような発言をしています。

2015年 GQのインタビュー
ドナルド・トランプ
「金本位制を復活させるのは非常に難しいことですが、しかし、素晴らしいことです。私たちは、お金の基準を持つことができます。」

2016年のインタビューでも金本位制自体は良いことだが、戻すのは難しいとの発言もしています。

そして、大統領に就任後も金本位制支持している、ジュディ・シェルトン氏をFRB理事に指名しています。

バイデン米大統領、シェルトン氏のFRB理事指名取り下げ

バイデン米大統領は4日、トランプ前大統領が連邦準備理事会(FRB)理事に指名したジュディ・シェルトン氏の人事を取り下げた。

https://jp.reuters.com/article/usa-biden-shelton-idJPKBN2A4343/

そしてシェルトン氏は金に裏付けられた暗号通貨?のようなものを想定している、におわせ発言をしてます。

ジュディ・シェルトン氏
「金に裏付けられた通貨のアイデアが好きです。それは暗号通貨のような形でも実現できるかもしれません。」

 

そして、トランプ氏は以前はビットコインに反対していたのですが、最近は手のひらを返しビットコイン肯定しています。

「世界がドルを捨てるのを許さない」と言いつつビットコインを肯定しているのが不可解です。

あくまでも、妄想ですが今後まずはビットコイン等の主流暗号通貨を普及させ、金等に裏付けられた暗号通貨が発行される際、暗号通貨導入に対する心理的障壁を引き下げる為かもしれません。

また、トランプ氏ではないのですが、対抗馬であったロバート・F・ケネディ・ジュニア氏も金や銀など実物資産などを含む基軸通貨を発行を示唆していました。

ロバート・F・ケネディ・ジュニアが語る「米国を金本位制に戻すための始め方」

“私の叔父は…不換紙幣が戦争の通貨であることを認識していた…私は部分的に、ビットコイン、銀、金、プラチナ、その他の基軸通貨を含む基軸通貨に根ざした一連の国庫紙幣を発行するつもりだ。

今や完全にトランプ支持になったイーロン・マスク氏はランド・ポール氏を米上院指導部を支持すると発言しています。

ランド・ポール氏の父親であるロン・ポールは金本位制支持の立場です。

ロン・ポール氏自身は父親ほどの支持ではないですが、金本位制のアイデアを研究するための委員会を設立すべきだと主張。

連邦準備制度が「通貨の価値を破壊している」と批判している議員です。

というように保守派と呼ばれる層では案外金本位制に肯定的な意見は数多くあります。

また、オランダ中央銀行、新しい金本位制に備えたことを認めるというような記事が少し前にありました。

・国際的に均等に分布した金準備は、金本位制へのスムーズな移行の前提条件とされている。
・ユーロを発行する中央銀行として、DNBは金が安定の堅固な拠り所であると同時に、自身の通貨がすべての状況に対応できないことを暗に認めている。

https://www.zerohedge.com/markets/dutch-central-bank-admits-it-has-prepared-new-gold-standard

個人的には旧来の金本位制に戻ることはないと思っていますが、金に関する何かしらのアイデアはあると思います。

5,サウジアラビアは30億米ドル規模の新しい太陽光発電所を建設する

サウジアラビアは、中国の太陽光モジュールメーカーTCL ZhonghuanおよびJinkoSolarと提携し、30億米ドル規模の新しい太陽光発電所を建設する

https://solarstoragextra.com/saudi-arabia-to-develop-new-solar-farms-with-chinese-firms/

サウジアラビアは2030年までに、再生可能エネルギーの割合を30%まで引き上げることを目標としています。

銀は金属の中でもっとも導電率が高い金属であり、ソーラーパネルの製造には銀がかかせません。銀の需要で半分以上占めているのが産業需要です。

https://www.mining.com/web/global-silver-deficit-to-rise-in-2024-due-to-higher-demand-lower-supply/

UAEにある世界最大のソーラーパネル発電所は400万枚のソーラーパネルが設置されていて、20万世帯に電力を供給できるそうです。

どのくらい銀が使われるかですが、平均的なソーラーパネルには20グラムの銀が使用されます。

400万枚のソーラーパネルには8,000万グラム、つまり8万キログラムもの銀が使用される計算になります。

そして、 ソーラーパネルは通常、20〜30年の寿命程度。つまり、ソーラーパネルとして利用されている銀は基本的に20~年くらいは市場に流通しないことになります。

一般的なコインやインゴット、装飾品などであれば、購入や売却取引で流動性がありますが、産業用として利用される銀は使われている間、市場に流れることはありません。

また、インド、中国、米国などでもソーラーパネルの設置は加速していくと見られています。

ソーラーパネルが増えればそれだけ、市場に流通しない銀が増えていくとも言えます。

6、逆神ジム・クレイマー氏は1ヶ月前にCrowdStrike(クラウドストライク)を絶賛していた。

全世界でWindowsPCが不調をきたし、航空便の欠航や医療機関の混乱といった甚大な影響をもたらしたシステム障害が発生したのはご存知かと思います。

障害の原因はセキュリティ企業のCrowdStrikeによるソフトウェアアップデートの欠陥でした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/81cc9e2eacf7b1442c917b14f7548df71f519e48

障害が発生したのは7月19日ですが、その約一ヶ月前あのジム・クレイマー氏はCrowdStrikeを絶賛するようなポストを発信していました。

「Crowdstrikeは大きな意味を持ち、理にかなっています。素晴らしい四半期です。」

彼が企業名など名指しすると株価が下落したり、何かしら問題が発生することが多いので、海外でも逆神扱いされてます。

このポストのリプ欄を見ても

「CrowdStrikeは終わった」「ジムは何十年も市場を操作しています」といった返信がかなり多いです。

https://Twitter.com/dariussavelov/status/1798336732007669988

ここまで来るとジム・クレイマー氏は預言者なのかもしれません。

【2024年版】銀が600ドル(20倍~)を超える?価格上昇する8つの根拠とは?

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