「159カ国がBRICSの新たな支払いシステムを採用する」はフェイクニュース。フェイクを流す3つの目的は?

「159カ国がbrics国家の新たな支払いシステムを採用する」というニュースが少し前に配信され、多くのインフルエンサーなども拡散していました。

https://watcher.guru/という大手の暗号通貨ニュースサイトでも取り上げられたので、信じて拡散している方も多いのかと思います。

159 Countries Set to Adopt BRICS New Payment System

記事の内容を見ると

ロシアのある当局者によると、すでに159カ国がこのシステムの採用を目指しており、10月には正式な開始が予定されています。このことは、世界の市場に大きな影響を及ぼす可能性があります。

BRICS諸国は、SWIFTに対抗するために決済システムに関心を寄せています。ここ数年、BRICS同盟はドル依存を減らす取り組みを進めてきました。特に、西側諸国の対ロシア制裁の影響を受け、この動きは現地通貨と代替的な決済方法の推進を明確に示しています。多くの人々が懐疑的である一方で、このシステムの人気は否定できません。

ロシア中央銀行のエルヴィラ・ナビウリナ総裁によると、システムが稼働すれば、159カ国がBRICS決済システムの採用に向けて準備が整っています。これらの参加国は、ロシアの「金融メッセージ送信システム(SPFS)」

とあります。

実際は「20か国から159人の参加者がロシアのSPFSシステムに登録した」という古いニュースを使いまわして、広めているようです。

https://x.com/Kanthan2030/status/1824577278535495899

そして、このフェイクニュースを発信したメディアの1つであるロシアのRT(Russia Today)は、誤報だったとして謝罪文と中国Weiboに掲載したようです。

「親愛なる中国の読者およびネットユーザーの皆様:

このたび、2024年8月17日に今日ロシア(RT)が公式Weiboアカウントで「159カ国がBRICS(新興5カ国)の新しい決済システムを採用する」というニュースを発信しましたが、調査の結果、この情報が誤報であることが判明しました。この虚偽の情報を発信したことについて、深くお詫び申し上げます。RTはこの誤報をすべての配信プラットフォームから削除し、今後このような事態が再発しないよう、ニュース発信の審査体制を強化し、RTの信頼性を保護してまいります。

読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます。また、メディア関係者や専門家の皆様からのご批判を謙虚に受け止め、RTはこれを教訓として、「終わりなき問い」の道を進み、今後も正確で高品質な国際ニュース報道を提供することに尽力いたします。」

https://weibo.com/6244553417/OttZakbI3?refer_flag=1001030103_

フェイクニュースを流した事は当然良くないことではありますが、後に真摯に訂正するのは評価されても良いかと思います。

一番拡散したと思われる、XのアカウントBRICS Newsやwatcher.guruは未だに謝罪どころか記事の削除すらしていません。

https://x.com/BRICSinfo

https://watcher.guru/

このサイトはBRICSや脱ドル関連に関心がある方は追っている人も多いですが、今回のようにフェイクニュースが発信されることもあるので注意が必要です。

以前もこのサイトで”飛ばし記事”があったので、それを指摘している記事書いてます。

特にこういった159カ国!などといった目を引くようなニュースは、記事のソース元を調べた方が良いです。

私も少し前に”ユニット”という共通通貨をBRICSサミットで発表されるという記事を執筆しました。

ロシアが金の購入を7倍に増加!BRICSサミットで金40%裏付けの新通貨を発表か?

しかし、159カ国が参加~のフェイクニュースはこの”ユニット”の話ではなく”BRICS Pay"のことです。

BRICSなんちゃら~が多くあるので、わかりにくいですが今のところ上記の”ユニット”という共通通貨がBRICSサミットで発表されるのは正しいニュースです。

私自身フェイクニュースに引っかからないと言い切れないのですが、もし間違いがあればXや当記事でお知らせいたします。

フェイクニュースを流す3つの目的とは?

ここからは私の妄想です。少し調べればわかるはずなのになぜフェイクニュースを流すのか?

1,センシティブなタイトルでアクセスを伸ばす(クリックベイト)

2,正しいニュースとフェイクニュースを交互に発信する事で最終的に読者を誘導する

3,正しいニュースとフェイクニュースを交互に発信する事で、元ニュースの信頼性を落とす

1に関しては説明不要かと思います。

日本ではクリックベイトというワードがあまり広まっていないですが、YouTubeでも誇大表現のサムネイルで内容と乖離が激しいものがあると思いますがそれです。

個人的にありえると感じてるのは2,3です。

BRICSが台頭するということは、覇権国家の終焉が近いと言う事です。覇権国家は指を加えて終焉を待つでしょうか?

少しでもBRICS側の信憑性を落として時間稼ぎするでしょうか?

もし信憑性を落としたいとしても、フェイクニュースばかり発信していては誰も聞く耳を持ちません。

しかし正しいニュースを流しつつ、フェイクニュースを織り交ぜることで、正しい情報も信憑性を落とすことが可能です。

国家の存続がかかっているわけですから、その程度のプロパガンダが行われても何もおかしくはないと思います。

また、watcher.guruというサイトが暗号通貨のサイトという点も少し引っかかります。

途中までは正しい情報を発信しつつ、最終的には金や銀などを否定する方向性に持っていき、わけの分からない暗号通貨に誘導するというような可能性もあると思います。

メインメディアですら、フェイクやミスリードばかりですから、情報に対して脊髄反射しない耐性を持つ必要がありそうです。

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