円建て金（ゴールド）価格が最高値になっている2つの理由

つい、一ヶ月前にも金価格が過去最高！と報道があったのに、またしても過去最高を更新しました。

地金大手の田中貴金属工業（東京）は29日、金の販売価格を1グラム当たり前日比179円高の9644円に設定し、国内金小売価格の指標として約2週間ぶりに過去最高を更新した。30日も同じ価格。これまでの最高は14日の9609円だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bcb5dd9b7c1a7e0f63caddce962f78791719c1b7

確かに円建ての金価格が上昇してはいるのですが、実は金の価格自体は下がっているのです。

ドル建てゴールド価格。

ポンド円

1オンス2,000ドルを超えていたのですが、ここ最近金の価格はやや下落基調で1,980ドル近辺です。むしろ金の価格は下がってます。

一方、ポンド円は28日正午辺りから一気に4円も暴騰しています。（他の通貨でみても円は落ちてます。）

つまり、金が上がっているのではなく、円が勝手に下落しているということです。

ではなぜ円が暴落しているのか？

円が暴落してゴールド価格が上昇している2つの理由とは？

１，インフレ率2％超えでも、YCC解除せず

28日は日銀会合があり、YCCを維持すると決定されました。

市場では「もしやYCC解除の可能性もあるかも？（もしくは緩める）」という予想もあったので、

※円の金利上昇⇛他国通貨との金利差が縮まる⇛円高になる

様子見ムードだったのですがYCC維持決定と発表されたことで、円の金利上昇は見込めないと判断し他国通貨に流れていったのが理由です。

植田日銀が多角的レビュー着手、政策金利指針を廃止－ＹＣＣ維持

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-28/RTRI0SDWLU6C01

そもそも日銀は「インフレ率が2％まではYCCを維持するという方針」で、日本も既にインフレが4％超えたので「そろそろYCC解除するのでは？」という期待がマーケットにありました。

投資家としてはより金利が高い通貨の方に資金を移すので当然の流れだと思います。

例えばアメリカでは高くなったインフレを抑える為に、銀行が破綻するくらい経済を破壊してでも、金利を上げています。

史上最大の米国銀行倒産

1位 ワシントン・ミューチュアル - 3860億ドル
2位 ファースト・リパブリック - 2330億ドル
3位 SVB - 2090億ドル
4位 シグネチャー・バンク - 1180億ドル

このうち3つは過去2ヶ月間に起きたものです。 https://t.co/xoCQ3IJD7G

— あんそにー（パロディ） (@Anthony6355) April 29, 2023

というのもあって、10年国債は0.3～0.4％のかなり高い水準を維持してます。（ヨーロッパ等他国も同様）

一方、日本はYCCで10年国債金利を0.5％に抑えつけているので、どうあがいても0.5％までしか金利が取れません。

投資家としては円で通貨をもっているよりも、他国通貨を持っている方が金利をより多く受け取れるので旨味があるわけです。

２，日銀上田総裁の会見

ただ、それだけにはとどまらず上田総裁の会見がかなりまずかった。

というのも、上田総裁が「正常化が２年後、３年後、４年後となる可能性も」と発言してしまったからです。（そして、この発言はなぜか報道されていない）

2:02:10頃

円が自爆したとはいえ、他の通貨とトレードするのもリスクが高いと思ってます。

ご存知の通り欧米では利上げの結果⇛景気後退はほぼ確定。

先に円が逝きそうだし、一時的にドルかポンドかに変えておくか？と思ったりしたのですが、いつどこで爆弾が破裂するかわかりません。

資金逃避先をいろいろ考えてみたのですが、なんだかんだでやはりゴールド、シルバー、仮想通貨しかないなという結論に至りました。

今回は円建てゴールドについてでしたが、中長期的見るとドル建てゴールドもかなり上がってます。

こちらはシルバー。ゴールドに追随するように価格が上がってます。

最後はビットコイン。

暴落するたびにニュースになるので、価値がダダ下がりとおもいきや、中長期的に見るとゴールド等に近い動き。

ただ、仮想通貨に関しては値動きが激しいのと、ビットコイン以外が生き残る可能性もあるので、難しいところ。

（個人的にはビットコインが仮想通貨を広める⇛他の仮想通貨も利用されていくのではと思っている）